被害相談が増加している投資詐欺に、警戒が必要です。
被害に気がついた際には、詐欺師が逃亡しているケースがほとんどです。事前に代表的な手口や注意すべきポイントを確認して、詐欺師から身を守りましょう。
万が一、詐欺に遭ってしまった場合は、できる限り早く被害回復をサポートする相談機関に連絡してください。
投資詐欺の代表的な手口
投資詐欺の代表的な手口は、次の6つです。
- SNS型投資詐欺
- 情報商材詐欺
- 劇場型詐欺
- セミナー型詐欺
- 未公開株詐欺
- 被害回復型詐欺
投資詐欺の手口は年々巧妙化しています。代表的な詐欺の手口を把握して被害を未然に防ぎましょう。
SNS型投資詐欺
投資詐欺では、LINEやインスタグラム、XなどSNSを利用した手口が頻繁に用いられます。SNS型投資詐欺は、アカウントを持っていれば、誰でも被害に遭う可能性があり注意が必要です。
詐欺師は、投資成功者を騙ってSNSで優雅な暮らしぶりをアピールしたり、プロフィールを偽造して著名人を装ったりしてターゲットを集めます。投資話に乗ってしまったあと、資金を持ち逃げされて連絡が取れなくなるケースが大半です。
特定のアカウントからの勧誘だけでなく、SNS上の広告から投資詐欺に遭ってしまう被害も報告されています。より多くのお金を騙し取るため、利益が出たように見せかけたり、実際に一度振り込んだりして信用させる手口にも注意してください。
インスタグラムやXを見れば、相手の生活スタイルや職業、思考などを容易に読み取れます。詐欺師からすると、SNSはターゲットを探す絶好の場所です。SNS上で出会った相手からの投資話には乗らないようにしましょう。
情報商材詐欺
投資に関するマニュアルやツールを売りつける情報商材詐欺も、代表的な手口の一つです。
情報商材とは、高収入を得るためのノウハウが書かれた商品を指します。情報商材は、得られる結果については保証しないという立場を取っている場合がほとんどです。「ノウハウを売る」という責任が曖昧な点が悪用され、被害は増加傾向にあります。
情報商材詐欺では、誇大広告で集客をしているケースが大半です。「必ず儲かる」「絶対に勝てる」など断定的な表現を使用している場合は、詐欺の可能性を考えてください。相場は予測不可能なため、断定的な言葉で高利益を示唆するような表現は適切ではありません。
誇大広告で集客を行うほかにも、無料のセミナーやマニュアルを入口として、有料商材へ勧誘するパターンも報告されています。無料から始まっても、のちに高額被害につながるケースがあることも知っておきましょう。
情報商材はあくまでも参考にするもので、利益を確実にするマニュアルやツールは存在しません。誇大広告や無料勧誘に踊らされないようにしてください。
劇場型詐欺
投資詐欺の代表的な手口に、劇場型詐欺があります。
劇場型詐欺とは、複数人でさまざまな役回りを演じて、架空の商品を購入させるものです。複数の業者や人物が登場することで、架空の商品であると気づきにくく、被害件数は増加しています。支払い後すべての関係者と連絡が取れなくなってから、騙されたと気がつく場合がほとんどです。
偽造したパンフレットや申込書類などを利用して、商品の信憑性を高めたり、実在する企業名を使って信じ込ませたりする手口に注意してください。名刺や社員証などは簡単に偽造できます。もっともらしい資料や有名企業だからといって、安易に信用しないようにしましょう。
近年では電話や直接勧誘だけでなく、SNSのグループ機能を利用した劇場型詐欺の被害も報告されています。少しでも不審に思った際は、書類に書かれている連絡先に問い合わせたり、専門機関へ相談したりすることが大切です。
セミナー型詐欺
投資詐欺の代表的な手口として、セミナー型詐欺が挙げられます。セミナーで集めたターゲットに対し、コンサルティングサービスや投資プログラム契約に勧誘する手口です。
参加者のなかにサクラを仕込み、契約する姿を見せてターゲットを煽るケースもあります。セミナー後、高額な投資商品をすすめられるケースがほとんどです。一定人数が同じ部屋に集められると、集団心理が働いて、購買意欲を掻き立てられるため注意してください。
セミナーへ参加した時点で、興味のある分野が明白で、的を絞った勧誘を受けてしまいます。高実績やデータを利用した言葉巧みな商品紹介に魅せられ、契約してしまったという被害者が大半です。
信憑性を増すため、大手銀行や公的機関主催を謳っているケースも報告されています。悪質セミナーが増えていることから、開催元の確認がおすすめです。
未公開株詐欺
未公開株詐欺も代表的な詐欺手口として知られています。有益な未公開株の情報があると持ちかけ、上場して高値になるタイミングで売却すれば儲けられると資金を騙し取る手口です。
未公開株詐欺は、直接勧誘されるという特徴があります。「あなただけに」「特別に」と近づいてくる相手には警戒しましょう。大きな利益を狙っていたり、お金に困っていたりしてギャンブル的思考が高まっている方は狙われやすいため注意が必要です。
未公開株の販売は、発行会社や登録を受けた証券会社に限られます。未公開株の勧誘を受けた際は、金融商品取引業の登録の有無を必ず確認してください。未公開株詐欺については、金融庁からも注意喚起されています。
未公開株を使った手口は、大きな利益が狙えると持ちかけられることによって、被害が高額になりやすい危険な詐欺です。未公開株の勧誘のほとんどは、詐欺であることを覚えておきましょう。
被害回復型詐欺
投資詐欺の代表的な手口に、被害回復型詐欺があります。投資詐欺の被害に遭った方に対して、損害が取り戻せると謳い近づく業者や専門家、公的機関などを装う手口です。
騙し取った個人情報は、詐欺師間で売買されているケースが多数報告されています。一度詐欺に遭ってしまうと、二次被害に遭う可能性が高まるため、早めに専門家へ相談することが重要です。
被害回復型詐欺では、集団訴訟の段取りをしていると装い手数料を支払って加わるよう弁護士を名乗るケースもあります。本来被害者を救済する弁護士の名前が使われる、悪質な詐欺手口に注意しましょう。
被害に遭い金銭的にも心理的にもダメージを受けている相手に、追い打ちをかける卑劣な行為です。騙された経験がある方は、被害回復型詐欺に警戒してください。
投資詐欺を避けるために注意すべきポイント
投資詐欺を避けるために注意すべきポイントは、次の3つです。
- 金融庁の登録を受けているか
- 振込先が個人名義の口座ではないか
- 商材やサービスは実在するか
詐欺師の言動には必ず怪しい点があります。投資を持ちかけられた際は、3つのポイントを参考にして被害を回避しましょう。
金融庁の登録を受けているか
投資詐欺を避けるために、金融庁の登録を受けているかを確認してください。
金融商品の取引や助言サービスを行うためには、金融庁への申請が必要です。登録の有無は、金融庁ホームページの『免許・許可・登録等を受けている業者一覧』で確認できます。
名簿にある登録業者を名乗るケースもあるため、登録の有無だけではなく、さまざまな面から判断することが大切です。無登録業者からの詐欺被害が多発しているため、金融庁のホームページで注意喚起されています。
投資勧誘を受けた際は、登録業者であるかを必ず確認してください。業者へ直接問い合わせることも、詐欺対策として有効です。
振込先が個人名義の口座ではないか
投資詐欺に遭わないための対策として、振込先の名義確認が役立ちます。
振込先が個人口座である場合は、詐欺が考えられます。事業者に投資資金を預ける際、個人名義の口座を指定されることは一般的にあり得ません。個人口座を指定してくる業者は危険な可能性が高いため、関わらないほうが賢明です。
警察庁の特殊詐欺対策ページでは、不審な振込先への注意喚起がされています。
参考:SNS型投資詐欺 投資に「絶対」「確実」はない!著名人になりすましたニセ広告急増!|警察庁
振込のたびに指定口座が変わる場合も、詐欺のおそれがあるため注意してください。取引口座には、詐欺に気づく手がかりがあります。投資話に乗る際は、振込先に指定された口座に不審点がないかを必ず確認しましょう。
商材やサービスは実在するか
投資詐欺を避けるために、勧誘を受けた商材やサービスが実在するかを確かめてください。投資詐欺では、架空の商材やサービスを売りつける手口があります。販売元の会社を調べたり、商材の名前を検索したりして、確認することが詐欺対策として有効です。
正当な方法で販売している商材やサービスであれば、多くの場合、インターネット上に口コミがあります。口コミがなかったり、極端に少なかったりする商材には警戒してください。実在しない、もしくは詐欺目的の商品である可能性が考えられます。
存在しない商材やサービスだと気づいた際には、詐欺師が逃亡しているケースがほとんどです。架空の商材を売りつけられた場合は、早めに専門家や公的機関へ相談しましょう。
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投資詐欺を働く人物の特徴
投資詐欺を働く人物には、以下の特徴があります。
- 断定的な表現を使用する
- 著名人を騙っている
投資詐欺は被害が高額になるケースが多く、早い段階での対処が重要です。特徴に当てはまる人物からの投資勧誘には応じないでください。
断定的な表現を使用する
投資詐欺を働く人物は、断定的な表現を使用するという特徴があります。予測できない相場に左右される投資は、結果を断言できません。「確実に」「必ず」といった断定的な言葉を付け加えて、高実績をアピールする相手や商品には注意してください。
金融商品取引法では、不確実なことを確かであるかのように誤解させて勧誘する「断定的判断の提供」を禁止しています。「確実に値上がりする銘柄を教えます」といった勧誘は法令違反に当たるため、真っ当なサービスを提供している事業者は使用しません。
断定的な表現に乗せられてしまうと、被害額は急速に大きくなります。少しでも不審に感じた際は、早めに専門家に相談し被害回復につなげましょう。
著名人を騙っている
投資詐欺を働く人物は、著名人を騙っている場合があるため警戒が必要です。著名人を装うことで、特別扱いを受けたと感じさせて騙しやすくなったり、信憑性を獲得したりする狙いがあります。
名乗っているとおりの人物か、見極めるポイントは次の4つです。
- 公式認証マークがあるか
- 公式ホームページの情報と合致しているか
- 運用実績の乏しいアカウントではないか
- お金を要求してこないか
公式認証マークがなかったり、投稿が少なかったりするアカウントは、なりすましである可能性が高いといえます。 プロフィールの写真や文面は、簡単に偽造ができます。著名人から個人的に連絡が来たと舞い上がる前に、上述のポイントに当てはまらないか確認作業を行なってください。
著名人を名乗るメッセージは、ほとんどが偽物です。未然に詐欺を防ぐためにも、無視して削除することをおすすめします。
悪質な投資詐欺手口に騙された際の相談先
悪質な投資詐欺手口に騙された際の相談先は、以下の4つです。
- 消費生活センター
- 金融サービス利用者相談室
- 警察
- 弁護士
機関によって対応範囲が異なるため、自身のケースに合った相談先を選びましょう。被害回復には証拠が重要になるため、詐欺師が逃亡を図る前に適切な機関へ早めに相談することが大切です。
消費生活センター
投資詐欺の手口に関する相談先に消費生活センターがあります。消費生活センターにはさまざまな詐欺の相談が寄せられており、被害者が取るべき行動のノウハウが蓄積されています。
全国共通の消費者ホットライン「188」で相談でき、年末年始以外はいつでも利用可能です。過去の事例をもとに適切なアドバイスをしてくれるでしょう。
投資詐欺業者は行方がわからなくなる傾向があるため、被害回復への行動が知りたい方は消費生活センターへ早急に相談してください。
金融サービス利用者相談室
金融サービス利用者相談室は投資詐欺の手口について相談できる機関の一つです。匿名で相談可能なうえ、費用もかからないため安心して利用できます。
金融サービス利用者相談室へは、電話・Webサイト・FAX・郵便で問い合わせ可能です。相談内容によってはトラブル解決に役立つ機関の紹介もしてくれます。ただし、個別の案件について、直接的な仲介や調停などの対応はできないため注意が必要です。
投資詐欺の手口に関することは、気軽に金融サービス利用者相談室を活用してください。
警察
投資詐欺の手口を相談できる窓口の一つに警察があります。警察には犯罪情報が集積しており投資詐欺にも詳しいため、刑事事件と判断した際は業者の捜査が可能です。
警察への相談は被害届の提出も同時に行うことが一般的です。詐欺師とのやり取りや支払い情報などの証拠とともに被害届を提出しましょう。
証拠や被害額が少ないと対応してもらえないケースもあります。民事不介入の原則から、刑事事件と判断されなかった場合は捜査してもらえません。
警察に捜査してもらうために投資詐欺の証拠を可能な限り集めて提出することが大切です。
弁護士
投資詐欺の手口についての相談先には弁護士がおすすめです。弁護士は案件に合わせた的確なアドバイスに加え、詐欺業者との直接交渉もしてくれます。
業者側に違法行為が認められた場合は、詐欺師への返金請求が可能です。返金請求には煩雑な手続きが必要ですが、弁護士であればすべて委任でき早期解決が見込めます。
訴訟になった際、弁護士は情報開示請求により詐欺業者の住所や連絡先の特定が可能です。詐欺師の銀行口座凍結要請もできるため、資金の流用を防げます。
投資詐欺に遭った方は大きな精神的ダメージを負います。法的制度を活用し、心の負担を軽くしながら被害回復することを望む方は弁護士へ相談しましょう。
投資詐欺に遭ってしまった方は当事務所へ
投資詐欺の多種多様な手口に騙されお困りの際は、当事務所へご相談ください。
当事務所には投資詐欺の手口に精通した弁護士が在籍しており、解決へのノウハウが豊富です。被害金回収のためには、詐欺業者が行方をくらます前に迅速に行動することが重要です。
当事務所の無料相談は、電話・メール・LINEにて受け付けております。ご依頼まで費用は発生しないため、ぜひ一度お気軽にお問い合わせください。