投資詐欺は出資者からより多くのお金を騙し取るために年々巧妙化しており、手口の種類は数えきれません。
仮想通貨や未公開株、プロ向けファンドといった新しい投資手法を用いた詐欺手口は、不審点に気付きにくく大きな被害になる危険があります。
投資詐欺の代表的な8種類の手口を知ることで被害を未然に防ぎましょう。
さまざまな種類の投資詐欺が急増中
さまざまな種類の投資詐欺が急増しています。
「元本保証」「必ず稼げる」とうまい話に乗せられ出資したところ、元金の大半が戻ってこず、事業者とも音信不通になるという被害があとを絶ちません。
投資を検討する際は注意深く調査して信頼できる情報源を見極めることが重要です。
投資詐欺に遭った場合の返金対応は難航する可能性があります。最新の手口を知り被害を未然に防ぎましょう。
投資詐欺で代表的な8種類の手口
投資詐欺で代表的な手口は、以下の8種類です。
- 情報商材型投資詐欺
- SNS型投資詐欺
- セミナー型投資詐欺
- 劇場型投資詐欺
- プロ向けファンド
- ポンジスキーム
- 仮想通貨詐欺
- 未公開株詐欺
巧妙化している手口を知ることで、実際に勧誘された際も詐欺に気付き対処できます。知識を増やして甘言に騙されない判断力を身につけましょう。
情報商材型投資詐欺
近年増えている手口の種類の一つは情報商材型投資詐欺です。
情報商材型投資詐欺では、「絶対に儲かる手法」「稼げる秘密」などと称したマニュアルを高額で販売します。内容は購入するまでわからず、商材を確認すると、役に立たなかったり簡単にインターネットで調べられたりする情報が多くを占めています。
お金をドブに捨てたと後悔した場合も、多くは返金されません。
情報商材型の詐欺は、投資に限らず恋愛や副業などの多岐にわたるジャンルが存在するため、十分に注意してください。商材を購入する前に信頼できる情報源を使って入念に検討することが重要です。
SNS型投資詐欺
X(旧Twitter)やインスタグラムを用いて投資勧誘を行うSNS型投資詐欺も、急増している手口の種類の一つです。
詐欺師は、投資で儲けたお金でリッチな生活を送っているように見せかけた投稿を繰り返し、興味を持ち反応したユーザーからお金を騙し取ります。投資の知識が浅い方をターゲットにして「自分も同じように稼ぎたい」と思わせる手口です。
不特定多数のユーザーにダイレクトメッセージを送り、投資へ勧誘する場合もあります。
見知らぬユーザーからの投資勧誘はまず詐欺を疑いましょう。SNSの投稿内容は真実でない可能性を疑って慎重に真偽を検証し、魅力的な勧誘に乗らないように注意してください。
セミナー型投資詐欺
セミナー型投資詐欺も急増している手口の種類として挙げられます。無料や安価の投資セミナーを使ってターゲットを集め、高額な金融商品やサービスの契約を勧める手口です。
「みんなで稼ごう」と煽られ興奮状態に陥ったセミナー参加者は、冷静な判断ができずお金を支払ってしまうかもしれません。ほかの参加者につられて契約してしまう場合もありますが、周囲の人物はサクラの可能性もあり注意が必要です。
金融庁・大手銀行主催と謳ってセミナーを開催し、利用者の信用を得ようとする詐欺師も存在します。信頼できる機関から主催者に関する情報を収集し、セミナーへの参加を慎重に検討してください。
劇場型投資詐欺
劇場型投資詐欺も急増している手口の種類の一つです。
劇場型詐欺は、複数の詐欺師が結託し、以下のとおり劇のような演出でターゲットを騙します。
- 証券会社員Aから投資商品を勧められる
- 別日に知り合ったBから同じ投資商品の良い評判を聞く
- 「複数人から勧められる投資商品は良いものだ」と信じ込み契約する
- 実は詐欺投資案件であり出資金を奪われてしまう
ターゲットから見ると無関係に思えるAとBは、同じ詐欺師グループに所属しています。大勢から同じ商品を勧められた場合、ターゲットは「みんなが勧めるなら稼げるに違いない」と信じ込んでしまうでしょう。
冷静に情報を審査する力を持ち、投資に関する最終決定は必ず自身の判断で行なってください。
プロ向けファンド
プロ向けファンドの悪用は、近年特に注意喚起されている投資詐欺の種類です。一般消費者向けの金融商品を取り扱う事業者には厳格な規制がある一方で、プロ向けファンドは届け出のみで販売許可が得られます。
詐欺師はプロ向けファンドの規制の緩さを利用して業者登録し、知識のない方を対象に以下のような不適切な勧誘を行います。
- プロ投資家を対象とした商品だと謳いターゲットの信用を得ようとする
- 複雑な説明でごまかす
- 希少性をアピールする
仕組みが複雑な投資を勧められた場合は理解できるまで契約しない、説明を省こうとする業者は詐欺を疑うといった対策を取り被害を防ぎましょう。
ポンジスキーム
ポンジスキームも、急増している投資詐欺手口の種類として挙げられます。
投資家から集めた資金を運用せず分配し、既存の利用者に見せかけの利益を支払う手口です。出資者が増えている間は配当金を得られるため信じてしまいますが、持続は困難です。利用者が増えなくなった時点でシステムが破綻し、詐欺師は姿を消すでしょう。
次のような投資勧誘はポンジスキームの可能性があります。
- 高い利回りの運用
- 元本保証
- 高額な紹介料
ポンジスキームで騙し取られた出資金は、被害が発覚した時点で詐欺師の手元に残っていない場合が多く、返金は困難となる危険があります。投資のリスクを理解し、過大な利益を保証するシステムには警戒しましょう。
仮想通貨詐欺
多様化する投資詐欺の種類の一つには、仮想通貨詐欺もあります。架空の通貨を販売して投資家から資金を騙し取る手法です。投資家は実在しない資産に投資してしまい、最終的に資金を失う危険があります。
ビットコインやイーサリアムなど、金融庁の登録を受けた業者が取り扱っている仮想通貨もあります。
一方で、名前を聞いたことのない仮想通貨や、まだ発行されていない案件への投資を勧められた場合は高い可能性で詐欺です。偽の仮想通貨に出資させられたあと、詐欺師と音信不通になってしまう可能性があります。
仮想通貨に投資する際は、プロジェクトの信頼性や実績を慎重に検討することが不可欠です。
未公開株詐欺
未公開株詐欺も、急増している投資詐欺の種類の一つであるため注意してください。
未公開株はまだ市場に上場していない株で、取引相場がなく価値が判断できないという特徴があります。インターネットで株式の情報が得られない場合も、「非上場であるから」と言えば不信感を抱かれにくい点も詐欺被害が増えている原因です。
「確実に儲かる」と言われて未公開株を購入したものの、一向に上場せず被害に気が付くケースもあります。
未公開株に投資する前に企業や株式の背景を十分に調査し、公式の情報源から確認することが重要です。
投資詐欺を回避するための注意点
投資詐欺を回避するためには、以下の5つの注意点を意識しましょう。
- 高すぎるリターンは警戒する
- 「絶対に儲かる」という言葉は違法だと知る
- 名前を知らない業者とは取引しない
- 感情的な投資判断は避ける
- SNSの投資コミュニティに注意する
それぞれ詳しく説明します。
高すぎるリターンは警戒する
投資詐欺を回避するために高すぎるリターンには警戒してください。
通常、投資のリスクとリターンは相関関係にあるため、高い利回りの商品には同程度の損失の危険が存在します。リスクをはるかに上回る高いリターンを提示された場合は詐欺の可能性があります。
市場平均からかけ離れたリターンを持ち掛けられる点は、ポンジスキームの特徴です。
高い利率を謳う業者に勧誘された際は投資手法に注意し、儲かる根拠やリスクの説明も求めましょう。投資は現実的な目標を設定し、夢のようなリターンの案件には注意するべきです。
「絶対に儲かる」という言葉は違法だと知る
「絶対に儲かる」という言葉は違法だと知っておくことで投資詐欺を回避できます。
金融商品取引法において、業者が「絶対に儲かる」と告げて投資勧誘することは「断定的判断の提供」として違法行為だと定められています。「値上がりは確実」「元本保証」といった言葉も同様です。
断定的な表現で利益を約束された場合、利用者は心強さを感じ投資業者を信用してしまうかもしれません。しかし、魅力的な文言は利用者を騙すための違法行為であると認識し、該当する業者とは距離をおくことが賢明です。
名前を知らない業者とは取引しない
投資詐欺の被害を回避するために、名前を知らない業者との取引は避けましょう。
投資勧誘をされた場合、まず金融庁のWebサイトから業者名を確認してください。
国内で金融商品取引業を営むには金融庁に登録する必要があります。投資のアドバイスをするためには投資助言・代理業、出資金の運用は投資運用業の登録が必要です。各種登録を受けている業者は金融庁のWebサイトに掲載されています。
未登録業者が扱う投資案件の大半は詐欺だと言っても過言ではありません。調べても業者名がわからないケースは、悪質な未登録業者の可能性があります。
金融庁に登録されていない見知らぬ業者とは、騙される前に連絡を断ちましょう。
感情的な投資判断は避ける
感情的な投資判断をしないことで詐欺被害の回避が可能です。詐欺師はさまざまな手法を用いて利用者の心理を揺さぶり、お金を騙し取ろうとします。
「今だけ」「あなただけに販売」といった限定的な言葉で勧誘された場合、焦りで性急にお金を支払ってしまう利用者もいるでしょう。「ほかの出資者はこんなに稼いでいる」という言葉に羨ましさや憧れを感じ、投資話に応じてしまうかもしれません。
投資する際は一時の感情に流されず、客観的なデータや実績を元にして冷静な判断を心がけてください。
SNSの投資コミュニティに注意する
詐欺を回避するためにSNSの投資コミュニティには注意しましょう。
チャット機能やグループを使って詐欺投資案件の勧誘を行う手口は、LINEで多く見られます。グループ内にサクラが存在する場合は、集団心理に飲まれて被害に遭う危険があります。
有名人になりすましてコミュニティを作り、宣伝や集客をする詐欺師もいるため警戒が必要です。
SNSは投資の知識を得る際に便利ですが、信頼できる情報か注意深く判断することが大切です。
FX・仮想通貨などの高額投資詐欺について弁護士に無料相談してみる
投資詐欺の被害は当事務所へご相談を
投資詐欺の被害に遭った場合は当事務所へご相談ください。投資詐欺は種類が多く手口が巧妙ですが、当事務所では、実績豊富な弁護士が詐欺師との直接交渉や法的手続きの代行を承ります。
相談は何度でも無料のため、費用や対応にご納得いただいてからの契約が可能です。LINE相談窓口も完備しており、気軽に利用できる点もメリットです。
大切なお金を取り戻すために、ぜひ一度当事務所の無料相談をご検討ください。