「あなたは当選しました」という内容のメッセージや画面を見たことはないでしょうか。
当選詐欺は、懸賞や景品の抽選に当たったことを装って個人情報やお金を騙し取る行為です。
本記事では、当選詐欺の手口・事例や被害に遭わないための対策・対処法を紹介します。被害回復に有効な相談先も確認してください。
当選詐欺とは
当選詐欺とは「懸賞が当たった」「1億円当選した」などのメッセージにより、個人情報や金銭を騙し取る犯罪です。被害が急増している手口の一つであり、地方自治体から注意喚起されています。
当選詐欺に遭わないために、犯罪の実態を把握して十分な対策を立てましょう。
当選詐欺のよくある手口
当選詐欺のよくある手口は、以下のとおりです。
- 懸賞の当選通知が届く
- 知り合いを装ったメッセージが届く
- インフルエンサーを装った当選通知が届く
- 突然当選画面が現れる
- 手数料を要求される
- 突然景品が届く
- 公式サイトのロゴや名前が悪用される
突然身に覚えのないメッセージが届いた際は警戒してください。詐欺の手口を知り、被害を未然に防ぎましょう。
懸賞の当選通知が届く
当選詐欺のよくある手口の一つが懸賞の通知が届くことです。
「当選しました」というメッセージに、別のサイトに誘導するリンクが添付されているケースがあります。多くの場合、懸賞の受け取りにサイトでの個人情報の入力が必要と書かれていますが、安易に信用してはいけません。
詐欺師が作成したサイトに入力した住所や氏名、クレジットカード情報などは盗み取られます。当選を謳う不審なメッセージのリンクにはアクセスしないでください。
知り合いを装ったメッセージが届く
知り合いを装ったメッセージも、当選詐欺によくある手口です。
当選詐欺では、「懸賞が当たるゲームに挑戦できる」といったメールが知り合いから届きます。ゲームの内容は簡単であり、ほとんどの方はクリア可能です。ゲームクリア後に懸賞の受け取りに必要として、以下の2つの実施を求められます。
- 指定された電話番号への連絡やサイトのクリック
- 知り合い数人へのメッセージ送信
詐欺師はターゲットを電話連絡やサイトへのアクセスに誘導し、お金や個人情報を盗み取ろうとするため注意しましょう。知人へメッセージを送信した場合、当選詐欺の被害に遭う方が増えます。
知り合いから懸賞に関するメッセージを受け取っても、安易に信用しないでください。
インフルエンサーを装った当選通知が届く
当選詐欺によくある手口として、インフルエンサーを装った当選通知が挙げられます。元ZOZOの前澤氏の「お金配りキャンペーン」を騙った詐欺が多発していたため、聞いたことがある方も多いでしょう。
詐欺師はさまざまなインフルエンサーを名乗り、現金配布キャンペーンを装ったメッセージを発信します。メッセージでは、現金配布の対価としてURL先でのサブスクリプション登録を勧められます。
サブスクリプション登録時にクレジットカード情報の入力を求められますが、したがってはいけません。クレジットカード情報をもとにサービスに課金させられつづけるため、注意してください。
突然当選画面が現れる
突然懸賞や景品が当たると書かれた画面が現れる当選詐欺の手口もあります。
ターゲットは、パソコン操作時に突然現れる「iPhoneが当たるチャンスを与える」という画面からアンケートに誘導されます。アンケートは、インターネットの使用頻度のようなたわいない内容です。
アンケート回答後にクレジットカード情報の入力を勧められますが、詐欺師に盗み取られる恐れがあるため警戒してください。
当選詐欺では景品の受け取りに時間制限を設ける手口も報告されています。ターゲットを慌てさせて判断力を鈍らせることが狙いです。景品の当選で急かされた場合でも冷静に判断し、個人情報の入力は避けましょう。
手数料を要求される
当選詐欺には手数料を要求する手口もあります。詐欺師は景品梱包代や送料として、ターゲットに現金を振り込むように要求します。ターゲットがお金を振り込んでも景品が届かず、音信不通になることが大半です。
景品や懸賞の受け取りにお金を求められる場合は、詐欺の可能性が高いといえます。音信不通になった詐欺師からの手数料の回収は困難であるため、安易に支払わないでください。
当選の通知を受けたあと手数料を要求された際は詐欺だと考えましょう。
突然景品が届く
当選詐欺では、景品が急に届く手口による被害も増えています。詐欺師は突然商品を送りつけてくるにもかかわらず、送料や梱包代を要求します。景品が実際に届いており、詐欺だと疑わずに要求に応えてしまいやすい点が悪質なポイントです。
身に覚えのない荷物を開けてしまった場合でも、詐欺師にお金を支払う必要はありません。荷物の開封に関して詐欺師とトラブルになった際は、適切な機関への相談により解決できるケースがあります。
突然送られてきた怪しい景品は詐欺の可能性があると覚えておきましょう。
公式サイトのロゴや名前が悪用される
公式サイトのロゴや名前を悪用する当選詐欺の手口に注意してください。
有名企業の名前を使うことによって、ターゲットに当選を信じ込ませることが詐欺師の目的です。詐欺師は本物に類似したサイトを作成し、クレジットカード情報や会員ID・パスワードなどを盗み取ろうとします。
ロゴや名前の偽装は詐欺師の常套手段です。公式サイトのロゴや企業の名前が使われているからといって、安易に信用してはいけません。
有名企業から身に覚えのない当選通知が届いた際は、詐欺の可能性を考えて対応しましょう。
当選詐欺の事例
当選詐欺師は、懸賞や景品が当たったというメッセージをさまざまな切り口でターゲットに送ります。注目されているニュースやトレンドに合わせた内容で金銭や個人情報を盗み取ろうとしてくるため、注意してください。
実際に発生した当選詐欺の事例を紹介します。詐欺師によるターゲットの騙し方を頭に入れ、同じ手口の被害に遭わないようにしましょう。
事例①
2023年に「宝くじに当たった」という当選詐欺のメールが届いた事例があります。
被害者の男性は宝くじを受け取るために、コンビニで電子マネーをチャージしようとしていたとのことです。幸いにもコンビニの店長が当選通知のメールアドレスの不審点に気づき、支払いを未然に防げました。
参考:「宝くじ当選」男性客に届いたメールアドレスが不自然|読売新聞オンライン
当選詐欺の手口のなかには、懸賞金の振り込みのために電子マネーで手数料の支払いを求めるケースがあります。手数料を支払っても懸賞金は振り込まれず詐欺師との連絡も途絶えます。
唐突に届いた当選通知で手数料の支払いを請求された際は、詐欺のリスクがあるため警戒してください。
事例②
有名会社の名前を使ってメールを送信した当選詐欺の事例もあります。
被害者の男性は、差出人が大手通信会社のメールを突然受け取りました。メールには「3,300万円が当選したため手続き申請してください」と書かれていたとのことです。
男性はメールに記載されていたURLにアクセスし、氏名や住所などの個人情報を入力しています。指示にしたがって合計約1,900万円を差出人に振り込みましたが、当選金は支払われず、警察への相談で詐欺が発覚しました。
参考:「docomo」かたるメールで「当選金3,300万円 手続き申請を」|LIFE
差出人は実在する会社名であるものの、メールアドレスが偽物のケースもあります。有名な会社から当選通知が届いた場合は、本物と異なる点がないか注意深くチェックしてください。
事例③
2020年には国からの10万円給付を悪用した当選詐欺もありました。10万円給付は新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに行われたため、覚えている方も多いでしょう。
詐欺師は給付金の配布手続きと称したURLを載せたメールを発信し、不正サイトへのアクセスを誘導しました。大手通信会社を装い、「国の代わりに10万円を給付する」という内容でメール受信者を騙そうとしたとのことです。
不正サイトでは「990万円当選」という告知とともに銀行口座情報の入力を勧められます。被害状況は明らかではありませんが、不正サイトへの誘導は当選詐欺によくある手口です。
参考:最新ニュース「10万円給付」に便乗するサイバー犯罪者|トレンドマイクロ
当選詐欺師は10万円給付のような最新の話題に便乗し、お金や個人情報を盗み取ろうとするため注意してください。
当選詐欺に遭わないための対策
当選詐欺に遭わないための対策は、以下のとおりです。
- 身に覚えのないメッセージを無視する
- 突然表示される当選画面を無視する
- 個人情報を教えない
- 金銭の要求に応じない
- 外部サイトに登録しない
- 公式サイトや会社ホームページを確認する
詐欺師は、さまざまな手口でターゲットから個人情報やお金を騙し取ろうとします。対策をしっかりと確認し、被害に遭わないようにしましょう。
身に覚えのないメッセージを無視する
当選詐欺に遭わないための対策として、身に覚えのないメッセージの無視が挙げられます。当選詐欺にかぎらず、知らない相手とのやり取りは危険です。
多くの詐欺メッセージは、ターゲットからの返信や反応を狙って無作為に送られます。メッセージを無視してすみやかに削除することで、大半の当選詐欺を防げます。
当選詐欺のメッセージにはリンクが貼られていることがほとんどです。詐欺サイトへ誘導される危険があるため、安易にリンクをクリックしてはいけません。
身に覚えのないメッセージは早めの削除をおすすめします。
突然表示される当選画面を無視する
突然表示される当選画面の無視も、詐欺に遭わないための対策です。
当選詐欺では、「iPhoneが当たりました」と書かれた画面が突然パソコンに表示されます。アンケート回答とともに、クレジットカードやメールアドレスなどの個人情報の入力を勧められますが、信用してはいけません。入力した情報は詐欺師に盗み取られます。
アンケートの回答や個人情報の入力はせず当選画面を無視することで、詐欺被害を防げます。突然当選画面が表示された際は無視してください。
個人情報を教えない
当選詐欺に遭わないために、個人情報を教えないようにしましょう。当選した景品の発送やお金の振り込みを口実に、個人情報を騙し取られるケースが増えています。プライベートな内容の入力を求められた場合は、詐欺だと考えて対処することが大切です。
詐欺師に盗み取られた個人情報から二次被害に発展する恐れがあります。二次被害とは、一度詐欺に遭ったあと再びお金を騙し取られることです。自身だけでなく家族や友人にも被害が拡大する可能性があるため注意してください。
身に覚えのないメッセージや当選画面で個人情報の入力を求められた際は、無視することをおすすめします。
金銭の要求に応じない
当選詐欺に遭わないためには、金銭の要求に応じてはいけません。キャンペーンや懸賞などで当選者に金銭的な負担が生じることはないでしょう。本当に費用が必要な際は、キャンペーンや懸賞の主催者の発信から確認できるはずです。
主催者が見つからなかったり、情報が少なかったりする場合は詐欺の可能性があります。当選にかかわるキャンペーンや懸賞の公式サイトを確認することで、詐欺かどうか見極められるでしょう。
懸賞や景品の受け取りに金銭を要求された時点で詐欺を疑ってください。
外部サイトに登録しない
当選詐欺を回避するために外部サイトへの登録を控えることが大切です。詐欺師に誘導された外部サイトに登録した情報は盗み取られるリスクがあります。
当選通知から勧められるサイトが信用できるか、見た目での判断は困難です。詐欺サイトを判別するためには、運営元の信頼性を調べる方法が有効です。運営元の詳細がわからないサイトは詐欺の可能性が高いため、個人情報を入力・登録してはいけません。
口座情報やクレジットカード番号を登録してしまった場合は、身に覚えのない請求や出金がないかこまめに確認してください。
公式サイトや会社ホームページを確認する
当選詐欺に遭わないための対策として、公式サイトや会社ホームページの確認が有効です。当選詐欺では、公式サイトのロゴや有名な企業の名前を悪用しているケースが多数報告されています。
実在するキャンペーンや懸賞であれば、必ず公式サイトや会社ホームページに情報があります。インターネット上の情報だけで信頼性を判断できない場合は、主催者への問い合わせも有効です。
企業の公式サイトで当選詐欺を注意喚起しているケースもあるため、確認しましょう。
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当選詐欺に遭った場合の対処法
当選詐欺に遭った場合の対処法は、以下のとおりです。
- 証拠を集める
- クレジットカード会社に連絡する
- 消費生活センターに相談する
- 警察に相談する
- 弁護士に相談する
詐欺に遭ったあとスピーディーに対処することで、お金を取り戻せる可能性が高まります。被害を放置せず適切な窓口へ相談することをおすすめします。
証拠を集める
当選詐欺に遭った場合の対処法の一つが証拠を集めることです。詐欺師を逮捕したり返金請求したりするためには証拠をそろえる必要があります。
身に覚えのない当選通知・画面は、スクリーンショットで保存しましょう。詐欺師とのメッセージのやり取りや振り込み明細などの保管も忘れてはいけません。詐欺にかかわる情報はすべて集めてください。
ささいな情報でも重要な証拠になる可能性があります。当選詐欺に関連する情報は自身で取捨選択しないことが大切です。
クレジットカード会社に連絡する
当選詐欺に遭った際の対処法として、クレジットカード会社への連絡が挙げられます。
詐欺師にクレジットカード情報を盗み取られた場合は、不正に利用される恐れがあります。クレジットカード会社に連絡すればカードの利用を停止できるため、詐欺師による不正取引を防止可能です。
クレジットカード会社は不正利用された取引のキャンセルや補償なども行えます。専用の相談窓口が設けられているケースもあるため、当選詐欺の被害に遭った方はすみやかに連絡してください。
消費生活センターに相談する
当選詐欺に遭った場合は消費生活センターへの相談を検討しましょう。
消費生活センターは誰でも利用可能な公共窓口であり、過去の事例をもとに専門の相談員からアドバイスを受けられます。ほかの被害者からも同様の相談が寄せられている可能性があり、事例をもとに解決に近づけるかもしれません。
適切な機関の紹介も行なっているため、被害回復の第一歩として消費生活センターへ相談してください。消費者ホットライン「188」の電話案内にしたがうことで、自宅に近い消費生活センターに相談できます。
警察に相談する
警察への相談も、当選詐欺に遭った場合の対処法です。警察に被害届を提出して捜査を行なってもらえれば、詐欺師を逮捕できる可能性があります。被害届を提出したことで返金請求が成功した事例も存在します。
被害届が受理されるためには詐欺に遭った証拠が必要です。メッセージのやり取りや振り込み明細などは必ず残しておきましょう。
ただし、詐欺師を逮捕できた場合でも、被害金を回収できないケースがあります。当選詐欺の被害回復を望む方は、警察だけでなく返金請求に強みを持つ専門家への相談も検討してください。
弁護士に相談する
当選詐欺の被害回復には、弁護士への相談が最もおすすめです。弁護士は訴訟のような法的手続きを代行でき、被害金回収のために相手との交渉も行なってくれます。
弁護士へ依頼する際も、詐欺の証拠をそろえることが重要です。詐欺師とのメッセージのやり取りや振り込み明細など、証拠になり得るデータはすべて保存してください。
返金請求を試みた場合、詐欺師から高圧的な態度を取られ、被害回復を諦めてしまう方もいるでしょう。専門家を代理人とすることで、詐欺師の態度が一転したという事案も多いため、弁護士への相談を推奨します。
当選詐欺の被害相談は当事務所へ
当選詐欺の被害に遭った方は、当事務所へご相談ください。当選詐欺の解決実績がある弁護士が被害回復に向けてサポートします。弁護士には守秘義務があり、周りに知られたくない方も安心して相談できるでしょう。
当選詐欺は個人情報が相手に知られているケースも多く、二次被害が心配されます。弁護士を代理人とすることで被害拡大の抑制が期待できます。
当選詐欺の被害回復を求める場合は、ぜひ一度当事務所の無料相談をご活用ください。