仮想通貨セミナーで詐欺被害に遭う事案が近年増加しており、注意が必要です。
仮想通貨に興味を持つターゲットからお金を騙し取る詐欺業者を見抜けるよう、危険なセミナーの特徴や手口について確認しましょう。
仮想通貨詐欺セミナーに騙されないための対策や、被害に遭った際の対処法についても紹介します。
仮想通貨セミナーにおける詐欺の手口
仮想通貨セミナーにおける詐欺の手口は、以下のとおりです。
- ポンジ・スキーム
- マルチ商法
- ICO詐欺
- ウォレット詐欺
多くの方の注目を集める仮想通貨セミナーは集客力があり、詐欺によく利用されます。セミナーにおける仮想通貨詐欺の手口を知ることで危険を察知し、被害から身を守りましょう。
ポンジ・スキーム
セミナーにおける仮想通貨詐欺の手口には、ポンジ・スキームがあります。
ポンジ・スキームとは、投資を促しながら実際は運用せずに元本の一部を配当金と偽って分配し、ターゲットの信用を得つつ出資金を騙し取る手法です。仮想通貨詐欺セミナーでは高配当を騙い出資を募りますが、配当金はもらえたとしても最初のみで数か月で音信不通になります。
新たな出資者を紹介すると報奨金が出る制度を設けているケースでは、さらに被害者が増える可能性があります。
マルチ商法
仮想通貨詐欺セミナーでの手口の一つが、マルチ商法です。
仮想通貨セミナー内で新たな投資者を見つけて仲介料を得る制度を紹介し、還元金目当てに勧誘させ出資者を増やします。
2023年5月には、セミナーで仮想通貨のマルチ商法へ不正に勧誘したとして12人が逮捕されました。
参考:暗号資産投資セミナーで7億円集金か…大阪府警、不正勧誘の疑いで12人逮捕へ|読売新聞オンライン
マルチ商法は連鎖販売取引にあてはまり、契約締結から20日以内であればクーリング・オフが利用できます。詐欺業者は、契約書を交付しなかったり、クーリング・オフができないと虚偽の説明をしたりするため注意しましょう。
ICO詐欺
仮想通貨詐欺セミナーで用いられる手口にICO詐欺があります。
ICOとは、企業が独自の仮想通貨(トークン)を発行して投資を促し、資金調達する仕組みです。企業が事業に成功するとトークンの価値が上昇して投資家に還元されますが、多くのICOは詐欺プロジェクトです。
ICOを行なった業者が、資金を持ち逃げすることを前提に独自の仮想通貨を紹介するセミナーも存在します。ICOに投資する際は、業者側が発表する事業計画書であるホワイトペーパーの内容が虚偽でないかや、将来性があるかを判断する必要があります。
ウォレット詐欺
仮想通貨詐欺セミナーの手口の一つが、ウォレット詐欺です。
ウォレットとは、仮想通貨をインターネット上で保存するための場所のことです。詐欺セミナーではフィッシングページや偽の投資サイトを紹介し、ウォレット情報を入力させて仮想通貨を盗み取ります。
公式サイトと酷似したフィッシングページは、ドメインの一部が違うだけでデザインの見分けがつかないことがあります。公式サイトへのログインは、ブックマークから行いましょう。
ウォレットやクレジットカードなどの個人情報の入力を求められた場合は、サイトの信頼性を確認することが大切です。
仮想通貨詐欺セミナーの特徴
仮想通貨詐欺セミナーの特徴は、以下のとおりです。
- セミナーの運営側や講師の実績が少ない
- SNSで勧誘している
- 必ず成功すると誇張する
- 聞いたことのない仮想通貨を紹介する
詐欺セミナーの特徴を知ることで危険を察知し、被害を未然に防ぎましょう。
セミナーの運営側や講師の実績が少ない
仮想通貨詐欺セミナーの特徴の一つは、運営側や講師の実績が少ない点です。運営会社や講師の実績が紹介されていたとしてもネット上の口コミや評判を自身で調べることが大切です。
運営会社のHPで以下の情報をチェックし、実績を確かめましょう。
- サイトの作り
- 創業年数
- 住所
詐欺セミナーの運営会社は、お金を騙し取ったあとに倒産して新たに会社を作ることを繰り返す傾向があります。同じデザインのサイトを使い回していたり、創業からの年数が短かったりする場合は詐欺業者である可能性を疑いましょう。
セミナー運営会社の住所が実在している事務所なのか確認することも大切です。
SNSで勧誘している
仮想通貨詐欺ではSNSやDMを利用して直接セミナーに勧誘してきます。
実績のあるセミナーは既存顧客や見込み客のリストで宣伝すれば集客可能なため、SNSで勧誘する必要はありません。SNSを利用して勧誘するセミナーは怪しいと判断しましょう。
SNSやマッチングアプリを通じて知り合った相手から紹介されたセミナーも詐欺の可能性が高いため、警戒する必要があります。
必ず成功すると誇張する
仮想通貨詐欺セミナーは、「必ず成功する」と効果を誇張するという特徴があります。
「元本保証」「絶対儲かる」といった言葉は、セミナーでの仮想通貨詐欺に限らず詐欺師の常套句です。勧誘時に成功を誇張した言葉が出てきた時点で詐欺を疑いましょう。
セミナー参加者の多くが儲かる話を聞くことを重視していますが、儲からないリスクについて正しい説明があるかが重要です。仮想通貨取引で必ず儲かるとは限らず、投資にはリスクが伴うことを正しく理解しましょう。
聞いたことのない仮想通貨の話をする
仮想通貨詐欺セミナーの特徴の一つが、聞いたことのない銘柄の話をする点です。
未公開で上場していない仮想通貨の投資勧誘の多くは、資金を騙し取ることが目的です。仮想通貨を公開せずに資金を持ち逃げされる可能性があるため注意しましょう。
仮想通貨の安全性を確認するにはホワイトリストが有効です。ホワイトリストとは、金融庁の登録を受けた暗号資産交換業者で取引される仮想通貨のことで、事業の詳細や資産流出のリスクなどの審査を通過しています。
ホワイトリストは仮想通貨の信頼性の確認に役立ちますが、価値上昇を保証するものではないことに留意してください。
仮想通貨詐欺セミナーに騙されないためには
仮想通貨詐欺セミナーに騙されないためのポイントは、以下の2つです。
- 自身で調べる
- 評判が良い無料セミナーに参加する
仮想通貨セミナーに参加する前にしっかりと対策し、詐欺被害から身を守りましょう。
自身で調べる
仮想通貨詐欺セミナーに騙されないための対策の一つは、仮想通貨について自身で調べることです。
仮想通貨に関する知識はセミナーに参加しなくてもインターネットや関連本などを活用することで自力で得られます。インターネットで調べる際は、大手の仮想通貨取引所や仮想通貨サイトなどの信頼できる情報を参考にすることが大切です。
セミナー参加後もすぐに投資の申し込みをせず、紹介された仮想通貨についてSNSやインターネットで調べましょう。調査には、世界中の仮想通貨関連の信頼性を評価している「WikiBit」という第三者機関のアプリの利用をおすすめします。
参考:WikiBitアプリ|グローバル暗号通貨取引所ライセンス調査専用APP
評判が良い無料セミナーに参加する
仮想通貨詐欺セミナーに騙されないためには、無料かつ評判が良い勉強会を選ぶことが大切です。
有料のほうが質が良いと感じるかもしれませんが、あまりに高額な参加費のセミナーは詐欺の可能性があります。内容の薄い講演をして参加料を騙し取るケースです。
無料でも質の良いセミナーは存在するため、ネット上の口コミを確認してから参加することをおすすめします。
無料セミナーに参加する場合は、高額な情報商材を売りつけられたり別の詐欺セミナーに勧誘されたりする危険があることを把握しておきましょう。
仮想通貨詐欺セミナーで騙された場合のリスク
仮想通貨詐欺セミナーで騙された場合は、個人情報の流出や不正利用などの二次被害のリスクがあります。
仮想通貨投資や商材購入などの申し込みをした際に詐欺師に渡った個人情報がほかの業者に売られたり、不正利用に繋がったりする可能性があり危険です。
仮想通貨詐欺の被害に遭った場合は、専門機関へ相談し早急に対処してください。
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詐欺セミナーの被害に遭った場合の対処法
仮想通貨詐欺セミナーの被害に遭った場合の対処法は、以下のとおりです。
- クーリング・オフする
- 消費生活センターに相談する
- 警察へ被害届を出す
- 弁護士に相談する
詐欺に遭った場合は、二次被害を防止するためにも極力早く対処する必要があります。
クーリング・オフする
仮想通貨詐欺セミナーの被害に遭った場合は、クーリング・オフすることにより対処できるケースがあります。
クーリング・オフとは、商品やサービスの購入や申し込み後一定期間内であれば、契約解除できる制度のことです。クーリング・オフ期間は、訪問販売や電話勧誘販売などであれば8日間、連鎖販売取引(マルチ商法)やモニター商法などは20日間とされています。
クーリング・オフは、書面や電磁的記録にて手続きをします。相手方に送付する前に記載した内容を書面のコピーや画面のスクリーンショットで保存しておくことが大切です。
クーリング・オフは国内の業者にしか適用されない点にも留意してください。
消費生活センターに相談する
仮想通貨詐欺セミナーの被害に遭った場合は、消費生活センターに相談しましょう。
消費生活センターは自治体が運営する行政機関で、仮想通貨を含む商品やサービスなどに関するトラブルの相談を受け付けています。あくまでも相談に乗ってくれる機関であり、返金対応や業者との直接交渉などは範囲外のため注意しましょう。
最寄りの消費生活センターの窓口が分からない場合は、消費ホットライン(局番なし188)に電話すると案内してくれます。土日や祝日は国民生活センターで補完し、年末年始を除き原則毎日利用可能です。
警察へ被害届を出す
仮想通貨詐欺セミナーの被害に遭った際は、警察へ被害届を出しましょう。
マルチ商法を利用した手口があることから、詐欺業者が野放しになることで被害拡大が懸念されます。被害拡大を防ぐためにも警察に届け出て捜査してもらうことが大切です。
警察に被害を届け出る際は、証拠や相手の身元が分かる情報が必要です。被害の状況や相手業者の所在地などの情報があると被害届が受理されやすくなります。
警察の目的はあくまでも犯人逮捕であるため、返金請求や業者との交渉などには対応していない点も把握しておきましょう。
弁護士に相談する
仮想通貨詐欺セミナーの被害に遭った際は、弁護士に相談することがおすすめです。
法律の専門家である弁護士に相談することでお金を取り戻せる可能性があります。弁護士独自の知識や経験が返金請求や詐欺業者との交渉で役立ちます。
弁護士によって専門分野が異なるため、仮想通貨詐欺に強い事務所を選ぶことが大切です。
仮想通貨詐欺は詐欺師の特定が困難といわれますが、弁護士独自の職権を行使することで身元や所在地を割り出せる可能性があります。無料相談を受け付けている事務所もあるため、返金を諦めずに利用を検討しましょう。
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