FX詐欺では詐欺師が利用者を騙そうと甘い言葉で勧誘してきますが、必ず儲かるFXは存在しません。騙されないように怪しい儲け話の見分け方を把握することが重要です。
詐欺師が利用する巧妙な手口や対策方法を知ることで被害から身を守れます。
FX詐欺に遭った場合は法律のプロである弁護士に相談しましょう。
FX自体は詐欺ではない
FX投資自体は詐欺ではありません。問題はFX投資を利用した詐欺が横行していることです。
FXは株式や仮想通貨と同じく金融商品取引法で認められた投資です。国ではFXを取り扱う業者に対し、金融庁の審査や登録を受けることを求めています。
無登録業者や海外業者は詐欺を働いている可能性が高いため、注意しなくてはなりません。
FXとは?
FX(外国為替証拠金取引)とは、日本円で米ドルを購入するように通貨を売買して利益を得る投資です。価値が安い通貨を購入し、値上がりした際に売ることで差額がトレーダーの利益となります。
FXでは、投資資産以上のお金を扱えるレバレッジという仕組みが利用可能です。レバレッジをかけることで、本来であれば必要な資金の最大25分の1の金額で取引できます。元手が少額であっても投資資産を増やし大きな利益を狙えることがFXの魅力の一つです。
FX投資にはリスクも存在するため、始める前に十分に知識を身につけましょう。
FX詐欺の手口
FX詐欺の主な手口は、以下のとおりです。
- セミナー代金を騙し取る
- 高額ツールや偽アプリを購入させる
- 高額な情報商材を売りつける
- 提携先金融機関に入金させる
- 資金運用代行を謳う
- 入金後に出金拒否や音信不通になる
- 無料を謳う
- 稼げるアピールをする
FX詐欺の手口は巧妙化しており、周到に作り込まれた嘘のサービスや商品を売りつけられます。FX詐欺の被害に遭わないために手口を確認しましょう。
セミナー代金を騙し取る
FX詐欺の手口の一つはターゲットからセミナー代金を騙し取ることです。FXと無関係なセミナーや内容の薄い講義を開催し、高額な代金を騙し取ります。
無料相談会を開催したあとに高額セミナーへ誘う悪質なケースもあるため、注意が必要です。高額なセミナー代金を要求され、少しでも違和感を覚えた場合はFX詐欺を疑ってください。
詐欺師はセミナー代金を騙し取ると、利用者からのクレーム対応を怠ったり連絡が取れなくなったりします。
高額ツールや偽アプリを購入させる
FX詐欺の手口の一つが高額ツールや偽アプリを購入させる手法です。詐欺師は高額な自動売買ツールや偽アプリを利用させようと、「絶対儲かる」「ノーリスク」などの甘い言葉を用います。
自動売買ツールはFXに関する知識のない初心者が詐欺被害に遭いやすく、代金を支払っても受け取れなかったり、でたらめな内容であったりします。高額なツールを購入しても必ず利益が出るとは限りません。
偽アプリでは、海外証券口座を開設させて投資を促します。アプリに表示される偽の運用実績で成功しているように装い、さらなる入金を促す巧妙な手口です。
高額な情報商材を売りつける
FX詐欺の手口には高額な情報商材を売りつける方法があります。FXを始めるには専門的な知識が必要なため、初心者がターゲットになりやすい手法です。
詐欺師は高額商品からもたらされる利益を想像させて購入を促しますが、実際は無料で得られるような中身であることがほとんどです。資金がないと主張してもリターンで回収できると借金を促す業者も存在します。
購入しないことのデメリットを主張し、不安を煽ってくる業者はFX詐欺を疑いましょう。
提携先金融機関に入金させる
FX詐欺では提携先の金融機関に入金させる手口があります。共謀している金融機関も悪質な詐欺業者である場合がほとんどです。
金融機関側から詐欺師へ報酬が支払われたり、口座を開設した際の個人情報が売買されたりするケースがあります。口座に入金してしまった場合はお金を業者に持ち逃げされ、損失を被る可能性が高いでしょう。
無料であるがために安易に口座を開設してしまうと、詐欺被害に遭う場合があります。口座を作る場合は、金融機関が安全であるかを確認して慎重に行いましょう。
資金運用代行を謳う
FX詐欺では資金運用代行を謳ってお金を騙し取るケースがあります。近年は国や政府が推進していることもあり、資金運用に注目が集まっていますが、悪用する詐欺師に注意が必要です。
高配当を謳う資金運用代行には特に注意しましょう。詐欺業者は高配当と言って勧誘したのちに元本の一部を利益と偽って配当し、信用させたところでさらなる入金を促します。実際には運用を行わず最終的に破綻するため、詐欺師は潮時を見て逃亡します。
日本で資金運用の代行をする場合は、金融庁の審査を通過し登録を受けることが必要です。資金運用に勧誘された際は、安易に話に乗らず業者の安全性を確認することが大切です。
入金後に出金拒否や音信不通となる
FX詐欺では、入金後に出金拒否されたり音信不通になったりするケースが多いといえます。
詐欺師側はお金を騙し取ることが目的であり、入金させてしまえば連絡する必要はなくなります。代金を支払う前に事業所が存在するのかや虚偽の連絡先ではないかなど、業者の安全性を確認することが大切です。
出金のために高額な手数料を請求されたり、個人情報の提出を求められたりする場合もあります。詐欺師の要求に応じてもお金が戻ってくることはないため、すぐに専門機関に相談しましょう。
無料を謳う
FX詐欺では無料と謳ってターゲットを集める悪質な手口も存在します。
よくある事例は、以下のとおりです。
- 無料セミナーで高額なツールを販売する
- 無料登録を謳いながら高額情報商材を売りつける
- 口座維持費無料と言いつつ出金手数料を請求する
最初は無料であっても、さらに有益な情報や利益を得るためだと偽って高額な請求をされるケースがあります。安易に請求に応じず一旦冷静になって、金額に見合うかや業者の言い分に違和感がないかを確認することが大切です。
稼げるアピールをする
FX詐欺では、SNSを利用して稼げるアピールをしてターゲットを集める手口が用いられます。
SNSの投稿で具体的な月収や資産などを公開し、稼いでいることを大々的に主張している業者は詐欺の可能性があります。実際に稼げている方は実力があり、わざわざアピールする必要がないためです。
フォロワーをお金で買って支持者がいるように見せかけたり、詐欺仲間がサクラをしていたりするケースもあります。SNSを通じて知り合った相手に個人情報を渡したり、お金を預けたりすることは非常に危険です。
FX詐欺の見分け方6選
FX詐欺の見分け方は、以下の6つです。
- 派手な宣伝文句やメリットばかり強調する
- SNSアカウントが怪しい
- 投資の判断を急かす
- 商材の金額が高い
- 知らない相手から突然勧誘がある
- クーリングオフに応じない
詐欺師は利用者からお金を騙し取るために甘い言葉で勧誘してきます。FX詐欺の見分け方を確認し、被害に遭わないようにしましょう。
派手な宣伝文句やメリットばかり強調する
FX詐欺の見分け方の一つに、派手な宣伝文句やメリットばかり強調することが挙げられます。以下のような言葉を使う相手や宣伝には注意が必要です。
- 必ず儲かる
- 絶対に損しない
- 100%値上がりする
- 誰でも簡単にできる
- 月収100万円になる
「確実に儲かる」と消費者に誤解させる表現を用いた勧誘は、金融商品取引法で禁止されています。甘い言葉で勧誘してくる詐欺師に注意し、FXには必ずリスクが伴うと心得ておくことが大切です。
FX勧誘の際にデメリットに触れず、メリットのみを説明する詐欺師には注意しましょう。
SNSアカウントが怪しい
SNSアカウントでFX詐欺を見分けられます。
怪しいSNSアカウントの見分け方は、以下の5点です。
- 容姿端麗な写真を利用している
- 富裕層をアピールしている
- お金の話が多い
- プロトレーダーや投資の専門家を自称している
- 恋愛感情を煽ってくる
詐欺師は成功者や魅力的な人物を装ってターゲットを集めます。顔写真はネット上から盗用していることがほとんどです。画像検索で見分けられることもありますが、簡単な加工ですり抜けられるため警戒を怠らないようにしましょう。
異性に対して恋愛感情を煽ってFXに勧誘するケースも見受けられます。たとえ好意的に感じていてもお金の話が出てきた時点で、詐欺を疑い距離を取ることが大切です。
投資の判断を急かす
相手が投資判断を焦らせてくる場合はFX詐欺を疑いましょう。詐欺師かどうかを見分けるには、以下のような謳い文句を使用するかどうかで見極めます。
以下の謳い文句を使用する相手は詐欺師の可能性が高いといえます。
- 残り1点で二度と販売しない
- 期間限定
- 今購入しないと損する
詐欺師が投資判断を急かすのは、利用者の冷静さを失わせて商材を購入させるためです。急かしたり不安を煽ったりする相手から購入した商品は、役に立たないことが多いといえます。
リスクを負う必要がある投資において焦って決断することは危険です。相手が投資の判断を急かしてきた場合は、一人で決めずに家族や周囲に相談してみましょう。
商材の金額が高い
勧められた商材の金額が高い場合はFX詐欺の可能性があります。
リスクを伴う投資では必ず成功するとは限りません。詐欺業者が勧める商材は価格が高くとも、見合った結果が得られないことがほとんどです。
特にFX初心者は専門知識に乏しく、「高い商材であるほど効果的」という言葉を信じて騙されやすい傾向があります。商材を購入する前にFXに関する知識を自身で調べて学び、楽に成功する投資はないことを理解しましょう。
知らない相手から突然勧誘がある
知らない相手から突然勧誘された場合は、FX詐欺を疑ってください。
SNSやメールで「楽に稼げる」「成功する方法を教える」などと甘い言葉で投資勧誘するケースが報告されています。知らない相手からの投資勧誘は無視することが一番安全です。
フォロワーが多くいる相手であってもお金で人を集めている場合があるため、安全性は保証されません。知らない相手から突然メッセージが来た時点で詐欺の可能性が非常に高いと判断しましょう。
クーリングオフに応じない
クーリングオフに応じない業者はFX詐欺であると判断できます。
クーリングオフとは、一定期間内であれば無条件で契約を解除できる制度です。法律によって認められた消費者の権利であるため、少しでも違和感を覚えた場合は利用をおすすめします。
悪質な業者はクーリングオフに応じないケースがあります。消費生活センターにもクーリングオフに関する苦情が多く寄せられており、応じない時点で詐欺の可能性が高いでしょう。
FX詐欺に遭わないための対策
FX詐欺の被害を防止する対策は、以下のとおりです。
- 金融庁の登録業者か確認する
- 収益性が異常に高い誘いには乗らない
- 評判や口コミを確認する
- 有料ツールや高額商材を利用しない
- フォワードテストを確認する
詐欺被害に遭わないためには情報を収集し、悪質な取引業者を見極める必要があります。
金融庁の登録業者か確認する
FX詐欺に遭わないための対策は金融庁の登録業者か確認することです。
日本国内の顧客に対しFXを取り扱う場合は、海外の事業者でも金融庁の許可を受ける必要があります。
金融商品取引業者として登録されているFX業者は、利用者保護の審査を受けているため安心です。金融庁のホームページの免許・許可・登録等を受けている業者一覧で、正式な業者かを確認しましょう。
金融庁の許可を受けていなかったり警告されていたりする業者は、FX詐欺に遭う可能性が高いため避けてください。
収益性が異常に高い誘いには乗らない
収益性が異常に高い誘いには乗らないことも、FX詐欺に遭わないための対策の一つです。データ上では収益性が高いように見えても、良い結果だけを開示したり利益のみを決済していたりする可能性があります。
FXは毎月の利回りでコツコツ運用することが一般的であり、すぐにお金が増える可能性は低いでしょう。
詐欺師は「毎月資金が2倍に増える」「勝率95%」などの甘い言葉を使った勧誘は、FX詐欺で間違いありません。収益性が異常に高い場合は誘いに乗らないようにしましょう。
評判や口コミを確認する
FX詐欺に遭わないための対策は、FX業者や投資サイト、セミナーの評判や口コミを確認することです。インターネット上にFX詐欺に遭った方の書き込みがあれば、避けるべき業者と判断できます。
ただし、インターネット上の情報がすべてではなく、悪い評判や口コミがなくても詐欺業者である可能性は否定できません。サクラが良い評価をしているケースもあります。必要な情報は積極的に入手し、すべて鵜呑みにしないことが大切です。
FX詐欺に遭わないためには、さまざまな評判や口コミを確認し冷静に判断しましょう。
有料ツールや高額商材を利用しない
有料ツールや高額商材を利用しないこともFX詐欺に遭わないための対策の一つです。
有料ツールや高額商材を利用したからといって成功するとは限りません。FXをはじめとする投資は必ずリスクがあることを理解しましょう。
特に初心者は派手な宣伝や勧誘によって高額商品を購入してしまうケースが多いため、最初から避けることがFX詐欺対策になります。無料ツールでも成果を上げることは可能です。有料ツールや商材に頼る前にFXに関する正しい知識を身につけることが大切です。
フォワードテストを確認する
FX詐欺に遭わないための対策としてフォワードテストを確認しましょう。
フォワードテストとは、将来の相場を用いて実際のプログラムで利益が出るか確認することです。フォワードテストによって過去の実績ではなく現在の収益性をチェックします。業者がフォワードテストを公表していなかったり、拒否したりする場合は詐欺を疑いましょう。
ただし、フォワードテストはあくまでも予測であり、実際の収益を保証するものではないことも理解してください。
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FX詐欺の相談ができる機関
FX詐欺の相談ができる機関は、以下の5つです。
- 国民生活センター
- 適格消費者団体
- 金融サービス利用者相談室
- 警察
- 弁護士
FX詐欺の相談に乗ってくれる機関を把握しておくと、被害に遭った場合にも迅速に行動できます。相談窓口をうまく活用することで被害回復が望めるでしょう。
国民生活センター
国民生活センターは独立行政法人であり、FX詐欺の相談ができる機関の一つです。国が運営する独立行政法人であり、日常生活で生じるトラブルの解決を援助してくれます。
国民生活センターではFXをはじめとする投資詐欺の相談を受け付けており、個々に合ったアドバイスを受けられます。FX詐欺の相談内容によっては専門機関の案内もしてもらえるでしょう。
平日11〜13時の「お昼の消費生活相談」のほかに土日や祝日にも電話電話相談が可能です。多忙で平日に時間が取れない場合は、土日や祝日に国民生活センターへ問い合わせてみましょう。
参考:土曜、日曜、祝日に利用できる相談窓口|国民生活センター
適格消費者団体
適格消費者団体は、FX詐欺の相談ができる機関です。消費者の利益を保護するために設立され、内閣総理大臣による認定を受けています。
適格消費者団体には、不当な勧誘や悪質な契約を行う業者に対し、差止請求を行う権限があります。適格消費者団体のうち、「特定適格消費者団体」は多くの被害者がいることをはじめとする条件下で集団訴訟の提起が可能です。
各適格消費者団体は全国各地を拠点に活動しているため、管轄地域を確認してから問い合わせましょう。
金融サービス利用者相談室
金融サービス利用者相談室は、FX詐欺をはじめとする金融サービスに関わる相談ができる機関です。金融庁が運営しており、相談を無料で受け付けています。
金融サービスについて専門的なアドバイスが受けられ、場合によっては金融機関との連携によってスムーズな解決が可能になります。詐欺業者との交渉を代行することは難しいため、あくまでも相談や専門機関への案内窓口として利用しましょう。
相談は平日10〜17時での電話のほか、Webや郵便でも受け付けています。ただし、回答を要求する場合は氏名と電話番号の記載が必要です。
警察
FX詐欺に遭った場合は警察への相談も可能です。相談する際は、緊急時の「110」ではなく「#9110」に問い合わせると警察相談専用電話につながります。
警察相談専用電話に連絡すると、FX詐欺や日常のトラブルへのアドバイスを受けられます。FX詐欺業者かの確認や、詐欺師に対する今後の対応についても教えてくれるでしょう。
警察相談専用電話に相談した結果、FX詐欺と断定された場合は被害届を提出してください。警察はあくまでも犯人逮捕が目的であり、返金への具体的な対応は管轄外であることを理解しておきましょう。
弁護士
FX詐欺の相談ができる機関に法律の専門家である弁護士が挙げられます。
個人が詐欺師相手に返金交渉を行うことは心身ともに負担がかかり、非常に困難です。弁護士がFX詐欺業者と交渉したり法的手段を用いたりすることで、返金を受けられる可能性が高まります。
FX詐欺をはじめとする詐欺事案は迅速な対応が問題解決に繋がります。弁護士はそれぞれ得意分野が異なるため、FX詐欺により詳しい専門家へ相談しましょう。投資詐欺に強い弁護士であれば、独自のノウハウによって素早い解決に向けて尽力してくれます。
無料相談を受け付けている弁護士事務所を利用することがおすすめです。
FX詐欺にお悩みの方は当事務所へご相談を
FX詐欺の被害でお悩みの方は、ぜひ一度当事務所にご相談ください。当事務所では、実績豊富な弁護士が法的知識を活かしてFX詐欺の返金請求を行います。
個人では被害回復が困難な場合でも、弁護士が複雑な手続きを代行することで返金成功へ近づける可能性があります。
当事務所へのご相談は無料で、正式な契約締結までは何度ご利用いただいても費用がかかりません。平日10〜22時の電話相談のほか、LINEやWebからのお問い合わせも可能です。
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