FX自動売買自体は詐欺ではありません。しかし、近年悪質な詐欺業者による被害が増えているため注意が必要です。
本記事では、FX自動売買ツールを使った詐欺の手口や被害事例、悪質業者の見分け方を解説します。被害に遭った際におすすめの相談先も紹介するため、ぜひ参考にしてください。
FX自動売買自体は詐欺ではない
FX自動売買は取引方法の一つであり、詐欺ではありません。FX自動売買はトレードのルールをあらかじめ設定しておき、自動的に機械に取引させる手法です。
最近は自動売買に使用するツールを使った詐欺が増えており、注意が必要です。
以下のようなFX自動売買ツールは、詐欺の可能性があります。
- 利益を保証するといった謳い文句で販売している
- 高い利益が出ると強調する
- 販売業者が金融庁に登録されていない
- 販売業者の所在地や連絡先が明記されていない
本来、FX自動売買は100%の利益を保証するものではありません。FX自動売買を利用する際は、詐欺でないか見極めてください。
FX自動売買詐欺の手口
FX自動売買詐欺の手口は、以下のとおりです。
- 高額な自動売買ツールを売りつける
- ツールの性能を偽る
- クーリングオフを拒否する
- 個人情報を奪う
- 出金や返金に応じない
詐欺の手口を確認し騙されないよう対策する必要があります。詐欺師の怪しい言動に気をつけ、被害を防ぎましょう。
高額な自動売買ツールを売りつける
FX自動売買詐欺の手口の一つが、高額なツールを売りつけることです。FX自動売買ツールは数千円から購入できるため、詐欺師の勧める数万円以上もする商品は異常な高さだと言えます。
詐欺業者が高額なFX自動売買ツールを売りつける際の常套句は、以下のとおりです。
- 誰でも簡単に利益が出せる
- すぐにツール費用を取り戻せる
- 勝率が高いため損をしない
- ツール購入者がすでに多くの利益を出している
- 限定商品のため売り切れたら購入できない
FX自動売買ツールはロジックや収益性の判断が難しいため、初心者が詐欺のターゲットになってしまいます。
必ず儲かるFX自動売買ツールは存在しないことから、利益を保証する業者やツールは詐欺と考えてください。
ツールの性能を偽る
ツールの性能を偽る行為も、FX自動売買詐欺の手口に見られます。詐欺業者が販売する自動売買ツールは実際には稼げません。ツールを購入すれば大金を稼げると信じ込ませ、嘘だと気付かれる前に詐欺業者は逃げてしまいます。
FX自動売買ツールの性能を購入前に確かめることは非常に困難です。根拠となるFX自動売買ツールのロジックは初心者には理解が難しいうえ、試用もできないのでは検証も難しいでしょう。
性能に関しては詐欺業者の言葉が唯一の判断材料であるため、巧みな話術に騙されて購入する方が多数います。非常に高い収益率で欲望を刺激したり、現実的な数字で納得させたりするため注意してください。
クーリングオフを拒否する
FX自動売買詐欺の手口として、クーリングオフを拒否することも挙げられます。クーリングオフとは、一定期間内であれば契約を解約できる制度です。
FX自動売買ツールも販売方法によってはクーリングオフが適用されます。契約書面を受け取った日から8日間は制度が利用できる可能性があります。
詐欺業者は「クーリングオフできない」と制度の利用を妨害しがちです。業者からクーリングオフを妨害された場合は、所定の期間が過ぎても申請できると法律で定められています。
クーリングオフの方法に関しては国民生活センターでも相談できます。国民生活センターのサイトでも利用方法が紹介されているため、気になった方は確認しましょう。
個人情報を奪う
個人情報を奪う行為もFX自動売買詐欺の手口のため、注意してください。
詐欺業者は「投資利益を受け取るために必要」という名目で、個人情報を盗むために口座開設を促します。口座開設の提携業者からの紹介料が目的の場合や、入力させた個人情報を売買して利益を得ているケースがあります。
奪われやすい個人情報は、以下のとおりです。
- 名前
- 電話番号
- 住所
- クレジットカード情報
「投資に興味がある人物」という情報が広まると、さまざまな詐欺業者に狙われる危険があります。
新たな詐欺被害に遭う可能性があるため、手数料や維持費が無料だと言われても、安易に口座開設をしないでください。
出金や返金に応じない
出金や返金に応じないことはFX自動売買詐欺に多い手口です。FX自動売買ツールで利益が出たと信じて出金を申請しても詐欺師は応じません。ターゲットにシステム利用や入金の継続を強要し、出金するには数回の取引が必要と偽ります。
ターゲットに追加で入金させ、金銭が手に入ると詐欺師は音信不通になるでしょう。詐欺師が姿を消すとターゲットは為す術がなくなるため、自動売買ツールで出た利益だけでなく元本を出金させないケースには気をつけてください。
実際にあったFX自動売買の詐欺被害
実際にあったFX自動売買詐欺の被害は、以下のとおりです。
- 口座やホームページにアクセスできなくなる
- 入金後に音信不通になる
- 返金ができない
詐欺師は金銭を奪うためにターゲットに近づきます。少しでも怪しさを感じた場合は距離を置いて連絡を絶ちましょう。
口座やホームページにアクセスできなくなる
実際にあったFX自動売買詐欺で、口座やホームページにアクセスできなくなった事例がありました。詐欺業者は指定の口座に入金があった直後にお金を引き出し、行方をくらまします。
FX自動売買ツールを販売後、詐欺師はしばらく正常な取引を演出し、被害者を安心させます。しばらくして取引ができなくなり、被害者が不審点に気付くころには口座や業者のホームページにアクセスができません。
詐欺業者は痕跡を残さないため、泣き寝入りする被害者が大勢います。不審点のあるFX自動売買ツールは購入しないでください。
入金後に音信不通になる
FX自動売買詐欺では、ツール購入後に販売者と音信不通になる被害も見られます。詐欺業者は金銭を騙し取ることが目的です。詐欺が発覚して通報されることを恐れ、一定金額を騙し取ったあとは逃げてしまいます。
詐欺業者は、以下のようなタイミングで音信不通になります。
- ツールの代金支払いのあと
- 取引を数回したあと
商品の代金を支払ったのにもかかわらず、ツールが届かないという被害もありました。
音信不通になると詐欺業者の特定や返金請求が難しくなるため、購入前の判断が大事です。謳い文句ではなく、信頼できる業者かを見極めてから自動売買ツールを購入してください。
返金ができない
返金ができないという被害もFX自動売買ツールを使用した詐欺で起きています。必ず儲かるという売り文句で詐欺業者はツールを販売するものの、実際には稼げません。
聞いていたような利益が出ないため、ツールの返品を申し出る購入者も大勢います。ツールの性能が説明と違うと訴えても、詐欺業者は返金対応をしないでしょう。
詐欺業者はSNSの広告やダイレクトメッセージを使い、騙しやすい方を探しています。購入しても返金できるとは限らないため、謳い文句を鵜呑みにせずに、怪しい業者でないか確認してください。
FX自動売買詐欺の見分け方
FX自動売買詐欺を見分けるには、以下のポイントを確認することが重要です。
- 収益率が高すぎる
- 不安を煽る
- 利用規約を明記していない
- 所在地や電話番号に不審点がある
- 金融庁に登録がない
- 詐欺被害の口コミがある
詐欺被害に遭わないために、購入前に不審点を見抜きましょう。
収益率が高すぎる
FX自動売買ツールを購入する際に、提示された収益率が高すぎる場合は詐欺だと判断してください。詐欺業者はツールを購入させるために、収益率を偽って性能の説明をします。ベテランの投資家であればすぐに見抜ける嘘でも、初心者には魅力的に聞こえるでしょう。
収益率の高さを信じさせるために、過去の実績や実際に稼げた方のSNSアカウントを捏造してターゲットに見せるケースもあります。購入したツールで稼げることはなく、詐欺業者に金銭を騙し取られます。
金融庁に登録がある業者が販売する自動売買ツールの収益率は、20〜100%程度です。FX自動売買は数%の利益を積み上げて稼ぐツールのため、数百%の収益率を謳う業者は怪しいと考えましょう。
高い収益率につられて詐欺のFX自動売買ツールを購入しないでください。
不安を煽る
不安を煽ることもFX自動売買詐欺の特徴です。ターゲットに「今購入しないと損だ」と思わせて、自動売買ツールを買わせます。
不安を煽る謳い文句は、以下のとおりです。
- 今しか安く購入できない
- 期間限定で販売している
- 人数限定で安くしている
本当に儲けられる優良な自動売買ツールであれば、限定という特別感がなくても売れるはずです。信頼できる業者はキャッシュバックといったキャンペーンは行なっても、不安を煽るような営業はしません。
購入を急かすような営業があった際は、冷静に考えることが大切です。即決はせずに信頼できる業者か確認しましょう。
利用規約を明記していない
悪質な業者は利用規約を明記しない傾向があるため、FX自動売買詐欺を見分けるポイントの一つと言えます。
利用規約にはツールの概要や禁止事項など、購入者が知っておくべき規定や条件が詳細に記載されています。
利用規約に書かれている内容は、以下のとおりです。
- サービスの概要
- サービスの目的
- サービスの提供方法
- サービスの変更や終了
- 禁止事項
- 免責事項
利用規約に目を通すことは面倒だと感じるかもしれませんが、存在するかも含めて必ず確認しましょう。利用規約がない自動売買ツールは詐欺の可能性が非常に高いため、購入しないでください。
所在地や電話番号に不審点がある
FX自動売買詐欺をする業者は、所在地や電話番号に不審点があります。詐欺業者の多くは会社所在地にバーチャルオフィスやレンタルオフィス、居住用マンションを利用し、連絡先には携帯電話番号を記載します。
一般的な会社であれば、オフィスビルや一戸建ての事務所を使用するでしょう。信用の面から固定電話を引き続き使う会社も多く存在します。
バーチャルオフィスやレンタルオフィスを所在地にしたり、固定電話を持たなかったりすることは違法ではないものの、信頼を重視する会社は好まない傾向です。
FX自動売買ツールを契約する前に、Googleマップや国税庁の法人番号公表サイトで所在地や電話番号を確認しましょう。
金融庁に登録がない
金融庁に登録があるか確認することも、FX自動売買詐欺の見分け方の一つです。詐欺業者はできる限り手間を省き金銭を騙し取りたいと考えるため、面倒な手続きが必要な金融庁への届出はしない傾向があります。
自動売買ツールを扱う場合、金融庁への届出は必ずしも必要ではありません。しかし、昨今詐欺が横行していることから、多くの業者は信頼獲得のために届出をしています。
金融庁に登録するには高い基準をクリアしなくてはならず、申請から認可まで約半年かかります。詐欺業者の場合、認可が下りることはないでしょう。
登録の有無は、金融庁ホームページの『免許・許可・登録等を受けている業者一覧』で確認してください。
詐欺被害の口コミがある
FX自動売買ツールが詐欺かどうかは、被害の口コミの有無で見分けられます。ツール名や業者名でインターネット検索し、悪い口コミが多く見つかった場合は詐欺の可能性があります。
悪い口コミがまったくない場合も注意してください。悪質業者は悪い評判が広がりはじめるとサイトのドメインや商品名を変更して、詐欺に気付かれないようにします。詐欺業者はドメインや名前を変更しても、同じ手口を使います。社名や商品名が異なる場合でも、類似の手口であれば詐欺を疑いましょう。
販売業者の不審点を確認する際は、ドメイン検索や国税庁の法人番号公表サイトの利用も有効です。FX自動売買ツールは綿密なリサーチを行なってから購入してください。
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FX自動売買詐欺に遭った際の相談先
FX自動売買を用いた詐欺の被害に遭った場合の相談先は、以下のとおりです。
- 国民生活センター
- 適格消費者団体
- 金融庁
- 警察
- 弁護士
前もって相談先を確認しておき、詐欺に遭った際は早急に専門機関へ相談してください。すみやかな相談により被害を最小限に食い止められます。
国民生活センター
国民生活センターは、FX自動売買詐欺に遭った際の相談先です。高額な自動売買ツールを購入させられた場合は、国の機関である国民生活センターへ相談しましょう。
国民生活センターは、日常生活で起こるさまざまなトラブルの解決を援助してくれます。平日だけでなく土日・祝日も電話での問い合わせに対応しており、被害の内容によっては専門機関を案内してもらえます。
国民生活センターには詐欺に関する相談も多く寄せられているため、FX自動売買ツールによる詐欺被害解決のための行動について、的確なアドバイスをもらえるでしょう。
適格消費者団体
FX自動売買詐欺に遭った際は、適格消費者団体にも相談できます。
適格消費者団体は、消費者保護のための権利を行使するための適格性を有するとして、内閣総理大臣の認定を受けた法人です。悪徳業者が誇大広告で宣伝したり不当な契約を勧めたりする場合は、法的手続きである「差止請求」により行為の阻止が可能です。
全国に4団体ある特定適格消費者団体は、大勢の被害者がいる場合に一定の条件を満たせば、消費者の代理人として集団訴訟を起こせます。
詐欺業者の違法行為により被害を受けた場合は、集団訴訟を起こせる可能性があるため、一人で悩まずに適格消費者団体へ相談しましょう。
金融庁
金融庁が設置している「金融サービス利用者相談室」という窓口は、FX自動売買詐欺に遭った際の相談先です。
金融サービス利用者相談室は、利用者と金融機関の間で起こる個別トラブルに対するアドバイスや、他機関の紹介をしてくれます。投資家保護を目的とする「金融商品取引法」に基づいた詐欺の対処法について、助言を受けられる点はメリットと言えるでしょう。
投資や金融サービスに詳しい公的機関に相談したい場合は、「金融サービス利用者相談室」へ問い合わせることを推奨します。
警察
FX自動売買詐欺に遭った際の相談先として警察が挙げられます。詐欺被害を警察へ相談する場合は、緊急時に利用する「110」ではなく「#9110」に連絡してください。
「#9110」に問い合わせると、内容に応じて関係する部署が連携し、詐欺師への警告や被害者の不安解消のために必要な措置をとってくれます。警察が別の専門機関での対処が適切と判断した場合は、法テラスや消費生活センターなどへ引き継いでくれるでしょう。
犯人逮捕を望むのであれば、詐欺師が姿を消す前にいち早く警察へ相談することが重要です。
弁護士
法律の専門家である弁護士は、FX自動売買詐欺に遭った際におすすめの相談先です。
FX自動売買詐欺で被害金を回収するには、ツールを販売した悪徳業者と交渉する必要があります。FX自動売買詐欺を弁護士に相談するメリットは、専門的な法的知識をいかして返金請求の手続きを代行してもらえる点です。弁護士が介入することで、裁判を避けたい詐欺業者が返金に応じやすくなります。
弁護士にはクーリングオフ申請のための内容証明郵便の作成や、詐欺業者との直接交渉も任せられるため、被害者が個人的に対応するよりも早期解決が期待できます。依頼者は時間と労力を節約でき、精神的な負担も軽減されるでしょう。
FX自動売買詐欺に遭い返金を希望する方は、早急に弁護士へ相談してください。
FX自動売買詐欺に遭った場合は当事務所へ
FX自動売買詐欺の被害は、当事務所へご相談ください。FX自動売買ツールを使った詐欺案件の解決実績が豊富な弁護士が、被害回復にむけて適切な対応策をご提案します。
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