FXや投資に関する詐欺に遭った際は、頼れる機関に相談すると返金の可能性が広がります。詐欺に遭ってから極力時間が経過しないうちに相談機関に話をすると、取り戻せる金額が多くなるでしょう。
適切な機関に相談しアドバイスやサポートを受けながら、被害回復に向けて行動することがおすすめです。
本記事では投資詐欺で連絡できる相談先や手口、詐欺に遭わないための対策法などを紹介します。
FX・投資詐欺のよくある手口
FX・投資詐欺のよくある手口として、以下が挙げられます。
- 自動売買ツールによる詐欺
- SNSを利用した詐欺
- 口座開設・入金をさせる詐欺
- セミナー代金を騙し取る詐欺
詐欺被害に遭わないためにも、手口や流れを把握しましょう。
自動売買ツールによる手口
FXや投資詐欺には自動売買ツールを利用した手口があります。FXでは自動売買取引を用いて利益を生み出す手段もあります。
「自動で必ず利益が出る」「自動売買ツールのモニターに当選した」などの言葉で誘惑する手口が、自動売買ツール詐欺の特徴です。甘い言葉を信用して銀行口座やFX会社に入金すると、相手と音信不通となり連絡が途絶え、出金が不可能になります。
自動売買ツールを使用してお金を騙し取る詐欺師が数多く存在するため、購入を控えて被害のリスクを減らす意識が重要です。
SNSを利用した手口
近年利用者が増加しているSNSでも、FXや投資詐欺の被害が横行しています。SNS上のメッセージで魅力的な投資話を持ちかけ、被害者を誘惑する手口が大半です。
被害者を信用させるために趣味やプロフィールの共通点に関する話題から距離を縮め、親しくなったタイミングで詐欺を行うパターンもあるため注意が必要です。相手を信じて入金すると最終的に音信不通となり、資金が持ち逃げされてしまいます。
「絶対に儲かる」「投資に詳しい仲間を紹介する」などの言葉で近づく相手がいた場合、詐欺を疑いましょう。
口座開設・入金をさせる手口
口座開設や入金を促す手口も、FXや投資詐欺のパターンとして挙げられます。詐欺業者は金融機関に被害者の個人情報を渡し、得られる紹介料を目的として被害者に近づく点が特徴です。
金融機関を名乗る業者も詐欺グループの可能性があり、入金後の取引や出金処理を停止させ、お金を引き出せないようにする手口を使用する可能性があります。見知らぬ金融機関や不審な入金要求があった際は、詐欺を疑い安易に口座開設や入金をしないようにしましょう。
セミナー代金を騙し取る手口
セミナーを開催して費用を請求したり、高額な投資スクールへ勧誘する詐欺にも注意が必要です。セミナーの開催自体は違法ではありませんが、なかには悪質な詐欺もあるため気をつけなければいけません。
悪質なセミナーでは高額な料金を請求されたり、情報商材を購入させられたりします。勧誘を断れれば良いですが、強引に料金の請求や情報商材の購入をさせるセミナーも存在します。
セミナーの参加を検討する際は、信頼できる主催者や講師であるかなどを確認し、入念に情報を収集するようにしましょう。
FX・投資詐欺の見分け方
FX・投資詐欺の見分け方は、以下のとおりです。
- 絶対に儲かると謳った勧誘
- 魅力的な謳い文句で勧誘
- 恋愛感情を悪用した勧誘
見知らぬ人からFX・投資勧誘をされた際は、見分け方を参考に詐欺の可能性を判断しましょう。
絶対に儲かると謳った勧誘
「絶対に儲かる」と謳って勧誘された場合、FX・投資詐欺の可能性が非常に高いといえます。
FX・投資は、価格が変動するという不確実性の性質を持っているため、利益が保証されることは決してありません。利益が保証されないにもかかわらず、「絶対」「必ず」といった言葉で勧誘してくる場合は、投資家を欺いてお金を騙し取ろうとする詐欺師の下心が丸見えです。
正規のFX・業者であれば、投資によるリスクを理解しているため、勧誘時に「絶対」「必ず」という言葉は使用しないはずです。
魅力的な謳い文句で勧誘されたかどうか
以下の謳い文句を使用して投資勧誘をしている人物は、FX・投資詐欺の可能性があります。
- 絶対・確実に儲かる
- 高配当・高利率である
- ローリスクハイリターンである
- あなただけに教える
- 期間限定の特別価格である
- 有名人の〇〇も投資している
詐欺師はターゲットの投資意欲を促進させるために、魅力的な謳い文句を多用して勧誘してきます。ターゲットが投資の判断で悩んでいる際、謳い文句とあわせて「今投資しないと損をする」と判断を急かす場合は、詐欺と断定して良いです。
FX・投資勧誘された際にすぐに詐欺かどうかを見分けられるよう、怪しい人物が多用する誘い文句を覚えておきましょう。
恋愛感情を悪用した勧誘
SNSやマッチングアプリをしている際に、相手が以下の発言を使用してきたらFX・投資詐欺を疑ってやり取りを止める必要があります。
- おすすめの投資がある
- 将来の貯蓄のために投資を始めよう
- 一緒に資産運用をしよう
- 裕福な生活を送るために投資するべきだ
詐欺師は恋愛感情を悪用し、ターゲットを悪質な投資に勧誘してお金を騙し取ろうとします。「家族の療育費や治療費が足りない」といってお金を請求してきた際は、恋愛詐欺の可能性もあるため注意が必要です。
SNSやマッチングアプリで恋愛をする際は、誘い文句を頭に入れて詐欺を未然に防ぎましょう。
FX・投資詐欺の相談事例
FX・投資詐欺の相談事例について解説します。
FX・投資詐欺の相談事例を把握しておくと、自身の状況が危険かどうかを判断できるメリットに結びつきます。詐欺に遭い混乱している場合でも他者の事例を見ることで、自身の状況を客観的に見つめ直し冷静さを取り戻せるでしょう。
詐欺被害の状況や被害回復の方法に着目しながら、事例を読み解きます。
事例1:副業勧誘からFX・投資詐欺に遭った事例
最初は、副業勧誘をきっかけにFX投資詐欺に遭ってしまった事例を紹介します。
- FX取引ツールによる方法と伝えられた
- 「即日収入」「1か月後に300万円の儲け」を謳っていた
- 「契約金50万円はすぐに元が取れる」と勧誘をされた
- 契約時にクレジットカード情報を加害者に伝えた
- 契約金50万円のところ84万円の決済がされていた
被害者が弁護士に相談した結果、被害額の約9割を回収できました。弁護士はカード会社と決済代行会社に協力を仰ぎ、加害者との返金交渉に繋げています。
「即日収入」や「すぐに数百万円儲けられる」などと謳った副業勧誘は詐欺であるケースが多いため、注意が必要です。
事例2:投資勧誘されて詐欺に遭った事例
合同会社の社員権への投資勧誘をされて、詐欺に遭ってしまった事例について紹介します。
- 合同会社の社員権への投資勧誘をされた
- 「高配当を約束する」という内容の投資話だった
- 被害額は600万円だった
被害者が弁護士に相談した結果、被害額のすべてを回収しています。返金の成功要因は、詐欺被害後に迅速に弁護士へ相談した点です。被害に遭って日にちが浅かったため、加害者側が騙し取ったお金を処分する前に全額回収が叶いました。
詐欺師は、「高配当」や「高利率」のような魅力的な誘い文句を頻繁に使用します。都合の良い投資話の勧誘をされた場合は、誘い文句に着目して不審点を確認してみましょう。
事例3:ポンジスキームによる投資詐欺に遭った事例
ポンジスキームによる投資詐欺被害に遭ってしまった事例を紹介します。
- 出資者を募る会社に投資をした
- 「高利率」を謳っており数百万円の出資をした
- 配当されず詐欺被害に気付いた
被害者が弁護士に相談した結果、出資額のうち約500万円を回収できました。事例2と同様、被害者がすぐに弁護士に相談した点が返金の成功要因です。
ポンジスキームは投資元の破産を前提に行われるため、出資してから時間が経過すると返金が叶わない可能性が高まります。実際、本事例においても被害者がお金を取り戻したあと、会社が破産してしまい、泣き寝入りした投資家が多数存在しました。
「被害に遭ったらすぐ相談」という認識を常に持っておきましょう。
事例4:SNSで知り合った人物からの勧誘で投資詐欺に遭った事例
4つ目は、SNSで知り合った相手からの勧誘で投資詐欺に遭ってしまった事例です。
- SNSで知り合った相手の紹介でFX会社の担当に会った
- 「必ず儲かる」「費用は最小限」という誘い文句に乗ってしまった
- 最初は40万円の投資だったが「もっと投資すれば利益が増大する」と催促された
- 合計で1200万円支払ってしまった
被害者が弁護士に相談した結果、約7割の金額を回収できました。
出資した金額がかさむほど、全額回収の可能性は低くなります。極力早い段階で詐欺の可能性を疑い、総被害額を抑えて大きく損をせずに済むよう努めましょう。
FX・投資詐欺に遭った際の対処法
FX・投資詐欺に遭った際の対処法は、以下のとおりです。
- 被害状況をまとめる
- 加害者の身元情報を特定する
- 二次被害の防止策を講じる
対処法を適切に実施すると騙し取られたお金を取り返したり、警察に詐欺師を逮捕してもらったりできます。それぞれの対処法について理解を深め、スムーズな被害回復に務めましょう。
被害状況をまとめる
FX・投資詐欺に遭ったら、以下の項目を例に被害状況を整理しましょう。
- 詐欺師と知り合った経緯
- 詐欺師とのやり取りの記録
- 契約書をはじめとした書類
- 被害に遭ったウォレット・口座の履歴
整理した被害状況は、相談機関に話をする際に証拠として必要になります。警察や弁護士は、被害者が提示した証拠をもとに詐欺師を捜査・逮捕したり、返金手続きをしたりするためです。
被害状況を時系列順に整理し、詐欺師とのやり取りの内容をくまなく保全・収集し、証拠として有効的に活用してもらえるように努めましょう。
加害者の身元情報を特定する
FX・投資詐欺の被害回復には、加害者の身元情報の特定も必要不可欠です。相談機関は、加害者の身元情報がわからないと対応できないためです。
以下の内容を参考に、加害者の身元情報を確保しましょう。
- 氏名・住所・連絡先・勤め先
- SNSアカウント
- ウォレット・口座情報
加害者の身元情報特定には、インターネットで加害者の名前を検索したり、SNSアカウントを確認するといった方法が有効です。
加害者の身元情報が特定困難な場合、詐欺に強い調査会社や探偵に相談する方法もあります。
二次被害の防止策を講じる
FX・投資詐欺に遭ったあとは、すぐに相談先に話をして二次被害を防止しましょう。
二次被害とは、詐欺の被害者に対して「被害回復はお任せください」と弁護士を装って近寄り、さらにお金を騙し取る悪質な手口です。
通常、弁護士が自ら詐欺被害者に対してコンタクトをとる行動は起こしません。しかし、詐欺被害に遭って焦っていると、二次被害を狙った詐欺師の策略にうっかりはまってしまう可能性が想定されます。
FX・投資詐欺に遭ったら即座に警察や弁護士に相談をし、二次被害を狙った手口に陥らないようにしましょう。
FX・投資詐欺に遭わないための対策
FX・投資詐欺に遭わないためには、以下の対策が有効です。
- 金融庁の登録業者を確認する
- 有料ツールは避ける
- 不審なSNSに反応しない
- 国内業者を利用する
不審な投資案件を見極め安易に入金しないように、事前に対策法を押さえておきましょう。
金融庁の登録業者を確認する
FXや投資関連の詐欺を回避するためには、相手が金融庁の登録業者かどうかの確認が大切です。金融庁に登録するためには一定の審査に通る必要があるため、信用できる業者の証明となります。
金融庁に登録されている業者は、免許・許可・登録等を受けている業者一覧 | 金融庁から、確認が可能です。投資話を持ちかけられたら、金融庁の登録業者かを確認して、信用できる相手かどうか確かめましょう。
金融庁における登録情報の確認は、投資詐欺に遭わないための重要な対策になります。
有料ツールは避ける
FXや投資に関する詐欺から身を守るために、高額な有料ツールやシステムの購入を避ける意識も大切なポイントです。有料ツールを購入しても実際には利益がでなかったり、お金だけを持ち逃げされてしまったりする恐れがあるため、警戒しなくてはいけません。
投資に関するツールや情報は上手く使用すると効率的に利益を生み出せますが、必ず見返りがあるわけではない点に注意が必要です。有料ツールの購入を検討する際は、相手の信用度や口コミなどを確認しましょう。
無料の情報やツールを活用しリスクを最小限に抑える手段の検討も、詐欺に遭わないために大切な考え方です。
不審なSNSに反応しない
FXや投資詐欺から身を守るために、不審なSNSへの注意が必要です。少しでも怪しいアカウントからメッセージが届いた際は、ブロックやミュート機能などを利用し反応しないと、詐欺被害防止につながります。
SNS上での情報や提案には常に慎重に接し、疑わしいアカウントや情報源からは距離を保つよう心がけましょう。「SNSには詐欺師が潜んでいる」という意識を持ちながら利用する姿勢も重要です。
FXや投資に関する意思決定や行動をする際は、信頼性のある情報源や有識者のアドバイスを重視しましょう。
国内業者を利用する
FXや投資詐欺を回避する対策として、国内業者を利用する方法があります。海外業者は出金拒否や取引履歴の改ざんなど、さまざまなトラブルが生じやすい理由から金融庁から国内業者との取引を推奨されています。
国内業者であれば、SNSやインターネットである程度の口コミや評価を確認でき、信用に値するかの判断が可能です。
一方で、海外業者は口コミや評価を確認しにくく、知らずに詐欺業者を利用してしまう可能性が否定できません。加えて、海外業者との取引は返金請求に関する手続きが難しく、トラブルに発展しても事態の解決が困難になるリスクも潜んでいます。
FXや投資に関する取引をする際は、国内業者を選択すると詐欺に遭う確率を下げられます。
投資詐欺被害の相談をするべき理由や相談先について、以下の記事で解説しています。
ぜひ参考にしてください。
FX・投資詐欺に遭った際の相談先
FXや投資に関する詐欺に遭った際は、以下の機関に相談しましょう。
- 国民生活センター
- 適格消費者団体
- 警察
- 金融庁
- 弁護士
頼れる機関に相談することで、返金の可能性を判断してもらえたり、事態解決に向けた手続きのサポートをしてもらえたりします。
国民生活センター
国民生活センターは日常生活のトラブルを相談できる公的機関で、FXや投資に関する詐欺被害に遭った場合にもサポートやアドバイスを受けられます。
SNSや電話などで投資話を受けた際に、不安であれば入金前に国民生活センターに相談してみるのも有効です。詐欺の可能性を事前に判断してくれるため、被害防止にもつながります。
国民生活センターは、被害状況に応じた専門機関を紹介してくれる場合もあるため、積極的に活用してみましょう。
適格消費者団体
FXや投資詐欺に関する被害は、適格消費者団体にも相談可能です。適格消費者団体は、消費者の権利や利益などの保護を目的とする公的機関です。
適格消費者団体に相談することで被害者の代理となり、加害者への訴訟が可能な消費者団体訴訟制度を利用できます。消費者団体訴訟制度は、同様の被害が多数発生している際に有効な手段です。
共通の被害者がいる際は適格消費者団体に相談し、消費者団体訴訟制度の活用がおすすめです。
警察
FXや投資詐欺に遭遇した場合、警察への相談も有効となります。警察に被害届を提出することで詐欺事件の捜査が開始され、加害者の特定や訴訟手続きを進められます。
警察に相談する際は、民事不介入の原則に注意しましょう。民事不介入の原則には、警察は刑事事件しか取り扱わない旨の規定が定められています。被害額が軽微であったり、詐欺の証拠が不十分だったりする場合は民事事件扱いとなり、対応を断られる可能性がある点に注意が必要です。
過去に似た事件や複数の被害者がいる場合は捜査対象として扱われ、加害者の特定がスムーズに進むケースもあります。提出可能な物的証拠が揃っている場合は警察へ相談してみましょう。
金融庁
FXや投資詐欺に遭遇した場合、金融庁は重要な相談先の一つです。金融庁は金融業界を監督・規制する機関であり、金融に関連する詐欺行為に対する情報提供や相談を受け付けています。
金融機関では消費者の銀行口座を保護する役割を持ち、不審な取引時には迅速に対応します。金融庁への相談は電話やファックス、郵送などでも可能なため気軽に問い合わせてください。
弁護士
FXや投資詐欺に関する被害に遭遇した場合、弁護士へ相談し法的手段による解決を検討しましょう。弁護士は法律の専門家であり、被害者の権利を守り詐欺業者に対して法的手続きを行えます。
弁護士は返金手続きのほとんどを代行してくれるため、対応に自信がなかったり、時間が確保できなかったりする場合でも安心です。
詐欺による被害額の返金手続きや加害者との交渉は、詐欺の専門的な知識や被害の解決実績を持つ弁護士に代理を依頼するとスムーズに進められます。無料相談が可能な事務所もあるため、投資詐欺の状況や被害額を伝えてアドバイスを受けてみましょう。
FX・仮想通貨などの高額投資詐欺について弁護士に無料相談してみる
FX・投資詐欺被害は弁護士へ相談しよう
FX・投資詐欺に遭った場合、被害を最小限にするためにぜひ一度当事務所へご相談ください。
被害状況に応じた機関に相談すると、返金請求に関する手続きや交渉をサポートしてもらえるため、被害額を取り戻せる可能性を高められます。
当事務所では投資詐欺に関する無料相談を電話・メール・LINEで受け付けているため、まずはお気軽にご相談ください。被害額の返金に向けての行動プランの提案や、手続きのサポートを行います。