出会い系サイトやマッチングアプリを悪用した詐欺が相次いでいます。
被害を予防するためには、詐欺師の手口や特徴を事前に把握することが大切です。
当記事では、出会い系サイト・マッチングアプリ詐欺の手口や見分け方を解説します。被害に遭った際の返金方法や対処法も参考にしてください。
出会い系サイトを悪用した詐欺の手口5選
出会い系サイトやマッチングアプリを悪用した詐欺の手口は、以下の5つです。
- 恋愛・結婚詐欺
- デート商法
- ぼったくり
- 投資詐欺
- 業者による詐欺
出会い系サイトやマッチングアプリの詐欺は、異性と親しくなりたいターゲットの恋愛感情を利用した悪質な行為です。詐欺師が頻繁に使う手口を把握しておきましょう。
1.恋愛・結婚詐欺
恋愛・結婚詐欺は、出会い系サイトやマッチングアプリを悪用した代表的な手口です。パートナー探しではなく、お金目的で異性に近づき騙します。詐欺に気づかずお金を渡してしまう被害者が多いため、注意が必要です。
詐欺師は早い段階から情熱的にアプローチする特徴があり、ターゲットの信頼を得られた頃にお金の話を持ち出します。「結婚する前に借金を返したい」「家族の治療費が必要」などと理由をつけて言葉巧みに資金を騙し取り、行方をくらまします。
「嫌われたくない」「結婚したい」というターゲットの気持ちにつけ込んで詐欺を働くため、非常に悪質です。好意を持つ相手であってもお金の話が出た場合は、詐欺を疑ってください。
2.デート商法
出会い系サイトやマッチングアプリを使ってターゲットを誘い出し、高額な商品やサービスを契約させるデート商法が多発しています。社会経験が少なく詐欺を仕掛けやすい、20〜30代の若年層が狙われやすい手口です。
詐欺師は出会ってすぐ積極的に好意を伝えて、ターゲットをデートに誘い出します。デート先で「結婚に必要だ」「二人の将来のために買おう」といった思わせぶりな言葉で、商品購入や契約を促します。
デート商法は、「相手に嫌われたくない」「自身を良く見せたい」という恋愛感情を悪用する卑劣な手口です。デート中に高額な商品やサービスの契約をすすめられた際は、断る勇気を持つことが大切です。
3.ぼったくり
出会い系サイトやマッチングアプリで増加している詐欺の一つに、ぼったくりがあります。ぼったくりとは、詐欺師と飲食店が共謀して、ターゲットからお金を騙し取る手口です。
詐欺師は、マッチングしてすぐに特定の飲食店へ誘い出します。連れて行かれた店で、お酒を数杯飲んだり少し滞在したりするだけで、店員から不当な飲食代を請求されます。
詐欺師は途中でトイレや電話などと理由をつけて姿を消すため、ターゲットは支払いを拒否できないケースが大半です。
マッチングした相手に店を指定された際は、事前に口コミを調べたり、ほかの場所を提案したりなどの対策を講じましょう。
4.投資詐欺
出会い系サイトやマッチングアプリで知り合った相手に、投資話を持ちかけられた場合は、詐欺を疑ってください。詐欺師は「必ず儲かる」「あなただけに教える」などと言葉巧みにターゲットを騙し、投資サイトへ誘導します。
詐欺師は、少額投資からすすめて儲かったように見せかけ、資金を追加するよう促します。多額の資金を騙し取ると音信不通になるため、安易に手を出すことは危険です。
出会い系サイトやマッチングアプリで投資詐欺を働くユーザーは、豪華な生活をアピールし成功者を装います。裕福な人物がすすめる儲け話に興味を持っても、出会い系サイトやマッチングアプリで投資の勧誘をする相手は詐欺師と疑いブロックしましょう。
5.業者による詐欺
出会い系サイトやマッチングアプリには、マルチ商法や宗教・有料サイトなどへの勧誘を目的とした、業者が紛れ込んでいます。業者は一般ユーザーになりすまし勧誘するだけでなく、個人情報を収集したりお金を騙し取ったりする可能性があります。
一般ユーザーと違い、マッチングしてすぐに会いたがる点が業者の特徴です。詐欺目的の業者がアプリ内で長くやり取りを続けることはリスクにつながるため、短期間でLINEの交換や会う約束へと誘導します。
業者のなかには、外国人が請け負ってターゲットを集めているケースもあります。日本語に不自然な点があったり、会話が成り立たなかったりする場合は業者を疑ってください。
出会い系サイト詐欺の被害事例
出会い系サイトやマッチングアプリを使った詐欺が年々増大しており、警戒が必要です。警察や国民生活センターなどが注意喚起していますが、騙される被害があとを絶ちません。
被害事例を参考に、身近に詐欺師が潜んでいる危険性を認識しておきましょう。
事例1
出会い系サイトやマッチングアプリで典型的な詐欺の一つである、ぼったくりの被害事例を紹介します。
被害者男性は、マッチングアプリで知り合った女性から「行きつけの店に飲みに行こう」と誘われ、紹介された飲食店を訪れます。女性は先に帰ったため男性が会計をすると、3千円の飲み放題と聞かされていたにもかかわらず、25万円を請求されました。
詐欺師の言葉巧みな誘導で、飲み放題に含まれないお酒を注文するよう仕向けられており、気づかないうちに高額になっていた事例です。
参考:マッチングアプリを利用した高額請求被害の事例|大阪府警察
出会い系サイトやマッチングアプリで知り合った異性と飲食店の従業員が手を組んで騙しているため、非常に悪質です。
事例2
出会い系サイトやマッチングアプリを悪用してマルチ商法へ勧誘し、約2000人から総額8億円以上騙し取った詐欺事件の手口を紹介します。
被害者の大学生は、マッチングアプリで意気投合した女性から「尊敬する先輩を紹介したい」と言われます。「先輩」という男性から、ビジネススクールへしつこく勧誘され、被害者は約43万円の入会費を消費者金融で借りて支払いました。
スクールへの勧誘は、事務所へ場所を変えて10時間にも及び、「ここで引けば人生後悔する」「君は決断力がない」などと迫られています。被害者は後日、中途解約を申し出ましたがお金は戻らず、女性とも連絡が取れなくなった事例です。
詐欺師の勧誘を断りきれず契約してしまった際は、即座に専門機関へ相談しましょう。
出会い系サイトに潜む詐欺師の見分け方
出会い系サイトに潜む詐欺師を見分ける方法は、以下の5つです。
- プロフィール写真が容姿端麗である
- メッセージに違和感がある
- お金に関する話をしてくる
- 別アプリや外部サイトへ誘導する
- 短期間ですぐに会おうとする
詐欺被害を避けるためには、怪しい相手の特徴を知ることが大切です。相手の怪しい行動に気づき、詐欺を仕掛けられる前に被害を防ぐ知識を身につけましょう。
プロフィール写真が容姿端麗である
出会い系サイトやマッチングアプリで、容姿端麗な相手に警戒することで詐欺被害を回避できます。
詐欺を働くアカウントは、多くのターゲットから注目を集めるために容姿端麗な写真を使います。写真はフリー素材や他人の投稿を不正ダウンロードして悪用した画像が大半です。
怪しいと感じた際は画像検索すると、拾い画であったり別アカウントで同じ写真が使われていたりと、詐欺師であることが判別できる可能性があります。
出会い系サイトやマッチングアプリで容姿端麗な相手から金銭的な話を持ち出された場合は、ブロックして連絡を取り合わないように心がけましょう。
メッセージに違和感がある
出会い系サイトやマッチングアプリで知り合った相手からのメッセージに、違和感があった際は、詐欺を疑ってください。
詐欺師は多くのターゲットからお金を騙し取りたいため、メッセージには定型文やひな型を使い、手間をかけずにやり取りしようとします。ターゲットの名前のみ変更した、使い回しの文章は会話が成り立たず、違和感を覚えるでしょう。
メッセージの返信にも目を通していないケースがあり、返答に不自然さを感じた場合はやり取りを控えブロックしてください。
お金に関する話をしてくる
詐欺師は出会い系サイトやマッチングアプリで、ターゲットと親しくなるとお金に関する話を持ち出し、金銭を騙し取ります。
金銭を要求する主な手口は、以下の3つです。
- 投資話を持ちかける
- 助けや援助を求める
- 返金を前提に立て替えを要求する
充実した生活をアピールして投資話を持ちかけたり、家族の病気や仕事の負債でお金が足りないと同情心を誘ったりして金銭を要求します。
お金を騙し取ると、詐欺師とは音信不通になるケースが大半です。「定期預金を解約したら払える」「来月には大金が入る」などと安心させる理由をつけ、立て替えを要求する手口にも気をつけましょう。
別アプリや外部サイトへ誘導する
出会い系サイトやマッチングアプリで出会った相手から別アプリや外部サイトへ誘導された場合は、詐欺が疑われます。マッチングしたあと、外部のSNSやアプリに誘導する手口は多くの詐欺師が使う常套手段です。
多くの出会い系サイト・マッチングアプリでは金銭のやり取りを禁止しています。金銭に関するメッセージのやり取りが、運営の監視に見つかるとアカウントが停止されるため、詐欺師は別のアプリへ誘導します。
詐欺を仕掛けられる可能性が高い別アプリや外部サイトへは、アクセスしないでください。
短期間ですぐに会おうとする
出会い系サイトやマッチングアプリでの詐欺を目的とする人物は、短期間のやり取りですぐに「会おう」と誘います。詐欺師の狙いは、手間と時間をかけずに多くのターゲットから金銭を騙し取ることです。
やり取りを繰り返し相手が理想の人物か見極める必要がないため、出会ってすぐに会う約束を取り付けて、勧誘やぼったくりなどの詐欺を働きます。
マッチングした相手とは、メッセージのやり取りで徐々に距離を縮め、信用できる人物か判断したうえで会う流れが一般的です。短期間で会おうとする相手は、危険人物の可能性を考慮しデートの誘いは断りましょう。
出会い系サイト詐欺で返金を求める方法
出会い系サイト詐欺で返金を求める方法は、以下のとおりです。
- チャージバックを申請する
- 口座凍結を要請する
- クーリングオフを活用する
- 内容証明郵便を送付する
詐欺に遭ったという事実に、平常心を失う方も少なくありません。しかし、被害を放置すると、詐欺師がお金を隠したり証拠を隠蔽したりするため、返金が困難になります。返金方法を参考にして、早急に行動しましょう。
チャージバックを申請する
出会い系サイト・マッチングアプリ詐欺でクレジットカード払いをした際は、チャージバックの申請により被害金を取り戻せる可能性があります。
チャージバックとは、クレジットカードの売上内容に不当性があった場合、支払った代金を返金する手続きです。ただし、チャージバック申請が必ず承認されるとは限らないため、違法な行為であることを、法的根拠を踏まえて立証する必要があります。
チャージバックはカード会社によって決められた期限があり、期日を過ぎると申請できません。詐欺被害に気づいた時点で、すみやかに申請してください。
口座凍結を要請する
出会い系サイトやマッチングアプリでお金を騙し取られた際は、「振り込め詐欺救済法」を使って口座凍結を要請し、返金してもらう方法があります。
振り込め詐欺救済法とは、加害者の銀行口座を凍結して残高を被害者に分配する制度です。救済制度で返金を望む際は、警察に被害届を提出し、振込先の金融機関に報告する必要があります。
被害者が複数人いたり、凍結された銀行口座に残高がなかったりする場合は、完全な救済が望めない点に注意してください。
クーリングオフを活用する
出会い系サイトやマッチングアプリの詐欺に遭った際は、クーリングオフを活用できるケースがあります。クーリングオフとは、商品やサービスの購入・申込みをした場合、一定期間内であれば契約を解除できる制度です。
クーリングオフは販売類型によって返品できる期間が異なり、期限を過ぎると返金が受けられないため迅速な手続きが必要です。
自身のケースがクーリングオフの対象になるか判断が難しい場合は、消費生活センターや弁護士に相談すると良いでしょう。
内容証明郵便を送付する
返金方法の一つに、内容証明郵便を利用し出会い系サイトやマッチングアプリでの詐欺行為に対して、損害賠償請求を行う手段があります。
内容証明郵便とは、差出人や宛先、書かれた内容などを証明する書類です。郵便局が、書類の送付を証明することで、返金請求を行なった事実を残せます。法的な効力はありませんが、訴訟の際の証拠として有効です。
内容証明郵便は口頭での申し立てに比べ、相手が深刻に受けとめる傾向があり返金の可能性を高めます。
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出会い系サイト詐欺に遭った際の対処法
出会い系サイト詐欺に遭った際の対処法は、以下の5つです。
- 詐欺行為の証拠を集める
- 運営に通報する
- 消費生活センターへ相談する
- 警察に被害届を出す
- 弁護士へ相談する
詐欺被害をまわりに相談できず、返金を諦める方も少なくありません。対処法を確認し、被害回復に向けて迅速に行動しましょう。
詐欺行為の証拠を集める
出会い系サイトやマッチングアプリを悪用した詐欺では、十分な証拠を集めることが重要です。加害者は、証拠を残さないように詐欺行為が終わるとアカウントを削除するため、すみやかな対処が求められます。
相手のプロフィールやメッセージをスクリーンショットで保存し、支払明細書や振込先情報、領収書なども集めておきましょう。
できる限り多くの証拠を収集し詐欺被害の状況を自身で把握することで、第三者への相談時に迅速な対応が可能です。
運営に通報する
多くの出会い系サイトやマッチングアプリには、危険人物や詐欺行為を運営に通報できるシステムがあります。通報を受けた運営は、アカウント停止や強制退会といった措置で、危険人物を排除してくれます。
ほかの利用者の被害を防ぐためにも、怪しいアカウントに気づいた際は、通報機能を利用することが大切です。
ただし、運営では返金請求の対応は行なっていないため、騙し取られたお金を取り戻したい方は別の機関への相談を検討してください。
消費生活センターへ相談する
消費生活センターは、出会い系サイト・マッチングアプリ詐欺に遭った際の代表的な相談先です。消費生活センターには日頃から詐欺に関する多くの相談が寄せられているため、解決に向けたノウハウの蓄積があります。
電話相談窓口である消費者ホットライン「188」は、全国どこからでもつながり気軽に利用できます。出会い系サイトやマッチングアプリの詐欺に遭い、自身が取るべき行動のアドバイスが欲しい方は、消費生活センターの利用を検討してください。
警察に被害届を出す
出会い系サイト・マッチングアプリ詐欺は、警察へ被害届を提出し、刑事事件として扱ってもらうことも対処法の一つです。
捜査が開始されると刑事罰を恐れた詐欺師から示談を申し込まれるケースもあり、交渉による返金が望めます。ただし警察は民事不介入の原則により、被害金回収の対応ができない点は注意が必要です。
捜査対象となる詐欺師の正確な情報がない場合、被害届は受理されないため、十分な証拠を集めて警察に提示しましょう。
弁護士へ相談する
出会い系サイト・マッチングアプリ詐欺に遭った際は、弁護士への相談がおすすめです。詐欺に強い弁護士であれば、解決への道筋やノウハウを熟知しているため被害金回収率が高まります。
弁護士特権の情報開示請求でより詳しい調査が可能です。詐欺師が特定できると返金交渉に進み、相手が応じない場合は訴訟を起こします。
出会い系サイト・マッチングアプリ詐欺は恋愛感情につけ込む卑劣な犯罪であり、被害者は大きな精神的ダメージを負います。法律の専門家に一任し、適切なサポートを受けることでスムーズな問題解決が期待できるでしょう。
出会い系サイト詐欺の被害相談は当事務所へ
出会い系サイト・マッチングアプリ詐欺に遭った方は当事務所へご相談ください。
当事務所は、詐欺案件の実績が豊富で解決への道筋を熟知した弁護士が在籍しています。詐欺師は資金を騙し取ると即座に証拠を隠蔽し行方をくらますため、迅速な対処が重要です。
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