ダイヤモンド投資は価値が下がりにくいため資産保護に向いていると、興味をお持ちではないでしょうか。価格変動リスクに強い一方で、ダイヤモンドの現物が高額であるため詐欺の対象となる場合があります。
投資詐欺の手口と実際の事案を知ることで被害を未然に防げます。ダイヤモンド投資を検討している方は、本記事で紹介する被害回避方法をぜひ役立ててください。
ダイヤモンド投資とは?
ダイヤモンド投資は、原物や関連企業の株を購入して収益を得る手法です。現金を価値の下がりにくいダイヤモンドに換えることで、インフレ対策にもなると注目されています。
ダイヤモンド投資のメリットは、以下の3つです。
- 年々価値が高まっている
- 政治変動や社会不安のリスクに強い
- 世界中で換金できる
一方で珍しい投資手法のため情報が得にくく、価値の上昇が緩やかでありすぐに投資の成果が出ないというデメリットがあります。ダイヤモンドの現物を購入する場合は高額な資金が必要です。
正確な情報を収集したり、正式な機関を利用したりすることで安全にダイヤモンド投資に取り組めます。
急増しているダイヤモンド投資詐欺の手口
被害が急増しているダイヤモンド投資詐欺の手口は、以下の4つです。
- ボイラールーム詐欺
- ポンジ・スキーム詐欺
- ファイナンシャル・セキュリティ詐欺
- ツーリストトラップ詐欺
ダイヤモンド自体が高額であるため、詐欺被害に遭った場合は大きな損失を抱える危険があります。手口を知り、勧誘された際は詐欺手法に当てはまる点がないか見極めて被害を防ぎましょう。
ボイラールーム詐欺
急増しているダイヤモンド投資詐欺の手口の一つがボイラールーム詐欺です。
ボイラールーム詐欺では、電話やインターネットで突然ダイヤモンド投資に勧誘されます。詐欺師は高いリターンを謳ってダイヤモンドを販売しますが、実際はグレードの低い石や偽物であるケースが大半です。
ボイラールーム詐欺は強引な営業手法も特徴的です。ターゲットが出資を迷うと、「今投資しなければ次の機会はない」と判断を焦らせたり、高圧的な態度を取ったりしてプレッシャーを与えます。
突然アプローチし、考える時間を与えず決断を迫る悪質な手口です。「現物を見なければ決断できない」「鑑定書がなければ契約しない」と明確に断りましょう。
ポンジ・スキーム詐欺
ポンジ・スキーム詐欺も、ダイヤモンド投資詐欺の手口として挙げられます。
「ダイヤモンド関連企業に投資し運用する」と謳って投資者から集めた資金を、既存の利用者に配当金として配る手法です。投資者が増えているうちは利益が出ているように見えますが、将来的には必ず破綻します。
- 毎月の配当金を約束する
- 高額な紹介料を提示する
紹介されたダイヤモンド投資が上述した項目に当てはまる場合は、ポンジ・スキーム詐欺の可能性があります。
ダイヤモンド投資は価値が下がりにくい一方で、結果が出るまでに長い時間がかかる点が特徴です。毎月高額な配当金が得られるという説明は不審だと知っておくことで、ポンジ・スキーム詐欺を見抜けるでしょう。
ファイナンシャル・セキュリティ詐欺
ファイナンシャル・セキュリティ詐欺も、ダイヤモンド投資詐欺の手口の一つです。将来の経済的な不安を抱える方をターゲットに資産保護を謳って近づく手法です。
将来が心配な投資家に対して、「ダイヤモンドは価値が下がりにくいため資産を守れる」と謳い商品を勧めます。担保とされるダイヤモンドが存在しない、著しく価値の低い石を高値で販売されるといった詐欺被害に遭う可能性があります。
多くの方にとって、将来の経済不安解消は投資を考える大きな理由の一つでしょう。心配を過剰に煽ってお金を騙し取ろうとする相手には十分に注意してください。
ツーリストトラップ詐欺
急増しているダイヤモンド投資詐欺の手口にはツーリストトラップ詐欺もあります。観光地で多く見かける手法で、旅先で財布の紐が緩くなった観光客を狙い、偽物の投資用ダイヤモンドを適正価格よりも高く販売する手口です。
ツーリストトラップ詐欺は、土産物店や宝石店をのぞいているターゲットに声を掛けるところから始まります。あとからダイヤモンドの違和感に気付いたとしても、旅先で被害に遭っているため犯人を探し出すことは難しく、返金請求は難航するでしょう。
旅行先のような非日常にも詐欺師の手は迫っていると覚えておいてください。お得な買い物に見えたからといって、旅先で会った不審な宝石商と取引をしてはいけません。
ダイヤモンド投資詐欺の被害例
実際に以下のようなダイヤモンド投資詐欺に遭い、大金を失った被害者が存在します。
- 「代わりに買ってほしい」と依頼される
- 架空のダイヤモンド所有権を購入させられる
詐欺師は「高く買い取るから」と代理購入を依頼してお金を持ち逃げしたり、別のリターンを約束する代わりに偽のダイヤモンド所有権に出資させたりします。
被害事例を知り、同様の手口に遭遇した場合は警戒しましょう。
「代わりに買ってほしい」と依頼される
ダイヤモンド投資詐欺の被害では、「代わりに買ってほしい」と依頼され、多額のお金を失うケースが存在します。「あとでお金は支払うから」と代理購入を依頼され代金を宅配便で送ったところ、相手と連絡が付かず、商品も送られてこなかったという被害です。
「買った値段の倍払う」「あなたにしか買えない特別なダイヤだ」といった巧妙な文言で勧誘され、信じてしまう被害者が増加しています。特に高齢者が被害に遭う事案が多いと、国民生活センターにより注意喚起されています。
参考:ダイヤモンドの買え買え詐欺にご注意!|国民生活センター
代理購入したダイヤモンドが無事買い取られ、利益を得られる可能性は低いでしょう。代理購入を依頼する不審な相手には十分に注意してください。
架空のダイヤモンド所有権を購入させられる
2015年には、架空のダイヤモンド所有権を購入させられる投資詐欺被害が起こっています。
詐欺師は、70代の男性に「未公開株を買い取るには、ダイヤモンド所有権を購入する必要がある」と謳い、500万円以上を騙し取っています。
詐欺グループは偽の投資会社を設立し、未公開株を持つ方をターゲットにアプローチを繰り返していました。投資会社は破産し、被害額は10億円にのぼります。
本事件は「未公開株」と「ダイヤモンド投資」という情報が少ないテーマを組み合わせているため、大勢の方が騙されたと推測されます。内容のわからない投資には警戒心を持つことが重要です。
ダイヤモンド投資詐欺被害を回避する方法
ダイヤモンド投資詐欺被害を回避する方法は、以下の4つです。
- 利益が高すぎる場合は注意する
- ダイヤモンドに関する基本情報を知っておく
- 信頼できる機関の鑑定結果を確認する
- 自身の目でダイヤモンドを確かめる
ダイヤモンド投資を始める前に、十分な知識を付けることで自身と財産を守れます。
利益が高すぎる場合は注意する
ダイヤモンド投資詐欺被害を回避する方法の一つが、利益が高すぎる場合は注意することです。
高すぎるリターンを提示して利用者の興味を引く手法は投資詐欺の常套手段です。リスクはまったくないと偽る案件もあるでしょう。市場平均と比べて極端に高いリターンの投資商品は詐欺の可能性があります。
「高額のダイヤモンドを扱うのであれば」と、提示された高い利率を信じてしまうかもしれません。しかし、価格の上下が緩やかである点がダイヤモンド投資の特徴です。
魅力的な利益に惑わされずに同様の案件と比較し、真偽を確かめてください。
ダイヤモンドに関する基本情報を知っておく
ダイヤモンドに関する基本情報を知ることで投資詐欺の被害を回避可能です。
ダイヤモンドの価値は「4C」と呼ばれる基準や加工処理によって変わります。特に4Cはダイヤモンドの品質に関わるため覚えておきましょう。
カラット(Carat) | ダイヤモンドの重さ 1カラットは0.2gに相当し、カラット数が大きいほど価値も高くなる |
カット(Cut) | 石の輝きを決定する研磨技術 評価基準は「Excellent」「Very Good」「Good」「Fair」「Poor」の5段階 |
クラリティ(Clarity) | ダイヤモンドの透明度 内包物・傷の有無・大きさなどで6段階にわけられる |
カラー(Color) | ダイヤモンドの色を評価する指標 23段階で評価され、無色に近いほど価値が高い |
ダイヤモンド投資詐欺では、知識のないターゲットにグレードの低い石を高額で買わせる手口が多発しています。ダイヤモンドの知識を付けることで、真に価値のある投資案件かどうかを見極めてください。
信頼できる機関の鑑定結果を確認する
ダイヤモンド投資詐欺を回避するために信頼できる機関の鑑定結果を確認しましょう。詐欺師に騙され、偽造ダイヤモンドやグレードの低い石に投資してしまう被害を防げます。
世界的に信頼されているダイヤモンドの鑑定機関の一つがGIA(米国宝石学会)です。4Cを生み出したのもGIAで、非営利機関のため中立な立場で鑑定しており信頼できます。
鑑定書には4Cの評価やカット図などが書かれています。投資目的で購入する場合は鑑定付きのダイヤモンドを選べば、適切な価格かどうか判断でき安心です。
ダイヤモンド投資の信憑性の判断は一人では難しいため、信頼できる機関のデータを参考にしてください。
自身の目でダイヤモンドを確かめる
自身の目でダイヤモンドを確かめることは投資詐欺被害の回避に繋がります。
詐欺師の口車に乗せられて現物を見ずに購入した結果、偽物を掴まされる被害が多発しています。ダイヤモンド投資を勧められた場合は必ず現物を見せてもらい、グレードや価格を理解したうえで購入しましょう。
鑑定書の詳しい説明も求めることが大切です。ごまかされたりわざと複雑に説明されたりする際は、ダイヤモンド投資詐欺の可能性があります。
現物の確認を徹底することで、電話による投資勧誘や代理購入での詐欺被害を防げます。自らの判断力で財産を守りましょう。
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